「友。」蜩ノ記 ko_itiさんの映画レビュー(感想・評価)
友。
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キーワードは “友”
庄三郎と信吾は仲たがいをするが、仲直りをする。
郁太は親友である源吉が理不尽な死に方をしたとき元凶である兵右衛門に 「抗議」 をする。
そして秋谷ははじめて庄三郎と会ったときに兵右衛門とは「学友」であったことを明かす。そこを深読みをすれば秋谷と兵右衛門はかつては “友” だった。(かも、しれない)
だからクライマックスで秋谷が兵右衛門に拳を振り上げるのは怒りでも批判でもなく、かつて “友” だったものに対する戒めである。
「民を忘れるな」という戒めである。
そうでなければ兵右衛門が考えを改めたり、その後に “義勇” の文字が現れない。
兵右衛門には足袋のシーンを入れて人柄とこの陰謀の背景(藩の財政のためにこれを画策した)を想像させていて、個人的には映画のキャラの方がしっくりした。
すべては終えた。志は息子が継いで行くし娘婿はそれを助けるだろう。だから秋谷には憂いもなければ未練もない。ただ去ってゆく。
(西部劇の様な演出を意図的にしている)
だから後味が良いのだ。
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