「ハリウッド映画」アメイジング・スパイダーマン2 ホーリーさんの映画レビュー(感想・評価)
ハリウッド映画
いいや、ハリーはもっと聞き分けの良い子のはずだ。
唯一の親友であるピーターの心情を察することが出来ない筈がないではないか。
エレクトロのスパイダーマンに対する逆恨みっぷりは見るに耐えず、
電気VSクモの激しい空中戦もちゃんちゃらおかしい。
そんな軽率で思慮の浅い人たちが大きな力を手に入れたら、そりゃ大変なことになりますな。
いい迷惑です。
思い返せば、前作はトカゲ人間ノーマン・オズボーンが個人用に作ったに過ぎない研究記録のデザインが無駄に凝っていたのがキッカケで一気にシラケたのだった。
そもそも、自己顕示欲に凝り固まり3DCGの見世物小屋に成り下がったハリウッド映画界に細やかな心象描写だの論理的整合性だのを求めることが土台ナンセンスなのだ。
上映前の予告を数本観て隣の男子高生が「地球、滅亡してばっかだな」とツッコんだのは正にそのとおりで笑ってしまった。
不特定多数の人民を目に見える形で危機に陥れないと成立しないのがハリウッド映画なのだから。
ハリウッドの厚顔無恥さは、なるほどアメリカを象徴する産業としてご健在であることをアピールする。
それを知ったうえで割り切って楽しみたいと思いながら(作品は充分に選びつつ)観てみるのだが、未だに成熟しきれないのは自分自身の心だと悟る。
このようなハリボテをまるで一級品のように差し出す胡散臭さが、どうしても鼻持ちならないのだ。
ただ、前作よりも洗練されたアンドリュー・ガーフィールド版スパイダーマンの軽やかな"ノリ"と、スパイダーマン目線(あるいは胴体から)のカメラワークはやはり心躍るものがあり、なるほどトビー・マグワイアでは湿っぽすぎたのかなと思わせる魅力を感じた。
宣伝でもこの映画comの作品紹介や特集でも"3人の強敵"などと称しているのは詐称ではないか?
グリーンゴブリンはグウェンの命こそ奪ったが終盤に少し登場しただけで、ライノに至ってはただの噛ませ犬。
それらを並列させてあたかもエレクトロと同等の激戦を予感させボリューム感を持たせるのは悪意ある誘導だ。
宣伝は得てしてそういうものと割り切ることは出来るが、このサイトに関しては健全性を疑問視せざるを得ない。