「あえての星4つ」アメイジング・スパイダーマン2 ルイコスタさんの映画レビュー(感想・評価)
あえての星4つ
初見の感想はとにかく面白かった。
何よりも迫力ある3D映像は、スパイダーマンのための技術かと思わせるほどマッチしていたし、これを楽しむだけでも見る価値のある一作。
ストーリーも十分に楽しめた。特にグウェンとのやりとりは素晴らしい。浮きまくるラブストーリーが蔓延する中、ピーターがグウェンをいとおしく思う気持ちを素直に共感できた。
それから軽快なスパイダーマンの所作が極めてフランクで好感度が高い。アクションシーンが息が詰まるだけに、ちょっとしたやりとりがほほえましい。
だが一方で、酷評しているレビューもあるようなのでその理由を自分なりに解釈すると次の2点かと思った。
まずエレクトロに対しても、ハリーに対しても、スパイダーマンが敵認定するのが早すぎる。もちろん一方的に攻撃される中で仕方なく、なのだろうが。
エレクトロに対しては不用意に告げた励ましの言葉が仇となる苦悩があるはず。不慮の事故が原因とはいえ、人ひとりの人生を狂わせたのだから。
また、ハリーに対しては、父の研究を知ることの目的は、彼を救いたい一心だったはずだが、父が自分を見捨てたわけではないと知るや否や、その目的は忘れ去られている。
人に希望を与えたいと願ってマスクを被ったにも関わらず、それを実現できないスパイダーマン。作品の主題に関わる伏線なのだから、きちっと回収してほしかったかな。
そのために時間が3時間になっても自分は見ます。
それからグウェンとの別れがショック過ぎる。彼女が魅力的であればあるほど、あれは勘弁してほしかった。
登場人物の復活をこれほど願うのはいつ以来だろう。
というのも、この作品で完結ならまだしも、次作もあるなら、人間模様のレベルが圧倒的に下がることが予見されるからだ。
今作で彼女が放った存在感以上のものを、次作で見られる気がしない。早くも次作への失望感が湧いてしまった。
今作の出来は良かった。
もちろん次作も期待する。
いい意味で、
こちらの浅はかな予想を裏切ってほしい。