「フィクションの使い途が謎」アメイジング・スパイダーマン2 movie mammaさんの映画レビュー(感想・評価)
フィクションの使い途が謎
グウェンが死んだら意味がない。
養父ベンを亡くした前作でよくわかったはずなのに。
グウェン父が言い遺した、グウェンに近づくなを半端にしか守らないからこうなった。
オックスフォード英留学を手にするまでに、彼氏の蜘蛛化、父の死を乗り越え、それでもなお勉学に励み、異変に気付き知識を誰かのために使おうとする、素晴らしい1人の若い女の子の命が、あっけなく奪われてしまった。
そもそもスパイダーマンに嫉妬や疑問を持つエレクトロとハリーの大暴れはスパイダーマンがいるから生じているし、スパイダーマンも器物損壊、傷害、傷害致死と衣装を着てなきゃただの乱暴犯罪人が調子に乗って出動しているようにしか見えない。
スパイダーマンの理論的な不思議には目をつぶっていたが、エレクトロまでくると、技術的に意味わからなすぎて、こんな脚本によくジェイミーフォックスが付き合ってくれたなとそちらに感嘆してしまう。
日本の5レンジャー感覚で、どこかの男子の変わりたい願望を満たすのがこういう作品なのだろうか?
終盤ハリーもまた意味不明理論でメタル凶器人間に変貌して攻撃してくる。
人は守るものがないから強くあれる。
守るものがあると、そこを突かれる。
ピーターにとって1番大切なグウェンの未来が奪われた時、正直、好きで続けているスパイダーマンの命が奪われれば、それで全て終わったのにと少し思ってしまった。
最悪の後味。
ラストでスパイダーマンのコスプレをした小さい男の子が危険に晒されるが、間違ってもスパイダーマンに憧れたりしてはいけない。
ピーターに構えば死が待っている。
秘密の多すぎる男だぞ。
中身は普通の彼女が大好きな良い青年だから心苦しいが、グウェン父の言いつけをしっかり守らない時点で私の感覚ではアウトである。
登場人物に謎理論フィクションを満載にするのならば、フィクションはグウェンの末路に使って欲しかった。