劇場公開日 2014年4月25日

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「スーパーヒーローの力=呪い」アメイジング・スパイダーマン2 マルホランドさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5スーパーヒーローの力=呪い

2022年1月10日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

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興奮

今作で自身の両親の死の秘密が明らかとなるが、その内容はとても驚かされるもので、アメイジングシリーズというのはそのサスペンス感も相まって歴代のシリーズで一番好きな作品だ。

クモにかまれたから超人的な能力を得ることを当たり前のように感じていたが、それにはちゃんと理由があって彼でなくては適応できないという設定がとてもしっくりくるものだった。スパイダーマンになる運命というのは最初から決まっていて二作を通してスパイダーマンになることの責任の大きさ、それこそが宿命なんだと思う。スパイダーマンはよく軽口をたたいて相手を挑発するそのコミカルさが俺の中では強いのだが、実は誰よりも重い過去を持っていて、その実は孤独なヒーローなのだとこの作品で痛感した。いわばスパイダーマンのヴィランはスパイダーマンのもう一つの姿で、トビーはうまく適応できたのにもかかわらず、ヴィラン側は欲に飲み込まれて俯瞰全体として成立してしまう。スパイダーマンが陽で悪役が影の存在としてちゃんと両立しているのだと思った。

悪役のエレクトロはとにかくスパイダーマンにあこがれを持つ人間であるがそんな彼が突然スパイダーマンと同じ力を得ることになるが人々は得体のしれない彼よりもスパイダーマンを応援する。
輝かしく光るスパイダーマンに適応できないものが憎しみを覚えるのはまるでコインの表裏一体さを感じざるを得ない。そのスパイダーマンをうらやむからこそ負の存在が生まれてしまう過程を描いたのが今作なのではないだろうか。

今シリーズのハリーは自身の親から受け継いだ病気が原因で苦しむ。そんな彼も自身の血の宿命に苦しみ、ピーターも親の血を受け継いでいるからこそスパイダーマンという宿命を背負うことになる。それはまさしく呪いのようなものを感じてしまう。

また、グウェンの父親の姿が終始幻影として出てくるのも彼自身の責任の表れや迷いなどが上手くあらわされており、葛藤が垣間見える演出となって最初から最後までとてもうまい構成であると認識できた作品だ。

マルホランド