「That's when hope is needed most. 泣ける!?アメコミ映画。マーク・ウェブ版スパイダーマン。」アメイジング・スパイダーマン2 アキ爺さんの映画レビュー(感想・評価)
That's when hope is needed most. 泣ける!?アメコミ映画。マーク・ウェブ版スパイダーマン。
この映画に関して何より衝撃的なネタバレは続編が打ち切りになった事でしょう。北米での不振(それでも北米約2億ドル、世界で約7億ドル)と「アベンジャーズ」等で知られるマーベル・シネマティック・ユニバースへの参入といういわゆる「大人の事情」で、次回への伏線を残したままあえなく打ち切りとなりました。アンドリュー・ガーフィールドのスパィディ好きだったのに。続きが観たかった!!
監督のマーク・ウェブは「500日のサマー」等恋愛映画を得意としていただけあって、今作も恋愛映画よりに作られています。きっとそこがウケがイマイチだった理由なのでしょうけど、若者の恋愛描写は秀逸です。お互いに好きなピーターとグェン、良く二人が自分たちの関係に「わからない」という言葉を口にしていましたが、相手が好きだけどどうすればいいかわからない気持ちは誰にでも経験があることではないでしょうか?マーク・ウェブ監督は二人の恋愛模様を丁寧に描いています。
エマ・ストーン演じるグェンは美人で頭も良く、自分の足でしっかりと立っている女性です。旧三部作のヒロインMJが男性依存症か?と思わせるぐらいフラフラしていたのと比べると、とても魅力的なヒロインになっています。イギリスに行く決心をしたグェンと一緒にいると決めたピーター。橋での告白のシーンはあれだけ迷っていたピーターが自分の心を決めたハイライトです。その分だけ後の悲劇が泣けてきます。あの手の形になった糸が届かない所とか!ベタでも泣けるじゃないですか。
グェン・ステイシーの悲劇は当時(1973年発表)の原作アメコミでも一大事件だった模様です。ちなみに原作ではグェンをグリーン・ゴブリンに殺されたピーターは鬼気迫る表情でグリーン・ゴブリンを半殺しにした後、結局は自滅してしまうグリーン・ゴブリンの最期を見た後に「敵が死んでも虚しさしか残らなかった」と更に鬱に沈んでいきます。そこから救いだしたのは原作ではメリー・J・ワトソンだったのですが、今回はグェンが残したビデオだった事が更に涙を誘います。
ビデオの中でグェンは辛い時こそ希望が必要と語ります。そしてピーターは街の危機に再びスパイダーマンとして人々の希望となるべく立ち上がる。なんだかんだと二部作でも良くまとまってますね。
もちろんアクション・シーンであったり、ジェイミー・フォックス扮するエレクトロであったり、グリーン・ゴブリンになってしまうピーターの親友ハリーを印象的に演じているデイン・デハーンであったりと見所は沢山です。二部作と決まってしまったアメイジングなスパイダーマン、未見の方は1、2一気にどうぞ!