さよなら、アドルフのレビュー・感想・評価
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思春期だけにしか見えないもの
思春期に敗戦を迎えるというのは、決定的な体験になるのでしょう。
大人の生き方のずるさに気付き、大人の性への嫌悪を抱きながらも、自分の中に同じものがあることに自覚をし始める。
そのタイミングで、戦前戦中に信じ込まされた価値を、180度ひっくり返される。
ローレという14歳の少女の目を通して、その体験を映像化した作品です。
傾いていたり、あらぬ方向をむいていたりするフレームや、大写しによる狭視野の映像は、ローレの思春期の不安定さ、置かれた境遇への不安や恐れを直に共有させてくれるような。
と同時に、シュヴァルツヴァルトや農村の美しさも印象的。
そして、死体のむごたらしさ。
原題は『ローレ』。ローレ個人の体験と多感な心を描くこの作品。
邦題『さよなら、アドルフ』は、残念ながらいかにも違う。
確かに、内容を説明すれば『さよなら、アドルフ』なのですが、繊細さのかけらもないその題名は、的確とは思えません。
蛇足ですが、『バカの壁』で有名な養老孟司も、ローレと同じ心情を、戦後の教科書の墨塗り体験で抱いたと、講演会で話されることがしばしばあります。
確かな事は何もないと悟り、だからより確かな死体というものを扱う解剖学を選んだ、と彼は語ります。
この映画に描かれていた死体も、厳然と死体であった。
死とは、そういうものなのでしょう。
戦争、勝ち負け、女子供
正義と信じていたものが実は…
ということを自分で歩きながら見聞きする日々。
恐怖だと思います
大きなトラブルにも合わず、あんな赤児を連れてよく無事に祖母宅に着いたなぁ、さすが映画
ローレが成長というより壊れていく過程は、妹弟を守る責任となに不自由なく育った環境と思春期というタイミングなのはよくわかる
赤児を連れていると食糧を貰えるという世の中はまだ救いがあるなぁと思った
世界からこういう思いをする人が少しでもいなくなるよう平和を願う
わりとドイツ人側の映画は見る機会がない世界大戦後の映画。 思春期の...
わりとドイツ人側の映画は見る機会がない世界大戦後の映画。
思春期の子供目線で見ると過酷な時代。
しかもホロコーストを知らないことにも驚きと納得が。
鑑賞とともに想像力が必要な映画です。
思春期の女の子なら自分の体の変化に驚きながら男性の目線を意識する頃で、また責任感ある長女が主人公。
最後の弟がお祈り前にパンを食べて、祖母から怒られる。
過酷な旅を終えた兄弟だもん。そこは手を叩くのではなく諭そうよと
思ってしまったのも悲しかった。
何も知らなかったドイツ人だって居たんだと、この映画を見て感傷に浸ってしまった。
「Lore」が、「さよなら、アドルフ」に^^;
シネ・スイッチ らしい映画。
日本でも、敗戦直後には、信じていた価値観を180度転換しなけれならなかった若い人達は一杯いたんだろうな、と思いつつ・・。
DVDで良かった。
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