ちょっと切ないけど、ちょっと懐かしくもあるような、まさしくこれぞ青春の一コマって感じのショートフィルムでした。
学生時代の引っ越しって、引っ越す側も引っ越される側も、妙に切ない気持ちになるものですよね。
社会に出てからの引っ越しはそうでもないのに、何で学生時代や子供の頃の引っ越しってあんなに切ない気持ちになるんだろ。
特に友達との別れは本当につらい、大人になってしまうとそんなこともすっかり忘れていたりするんですけどねぇ・・・。
本作のようなシチュエーションだったら尚更だ。
親友と呼べるぐらい仲の良い友達だったのに、せっかくのいい思い出もこれだと思いっ切り色褪せちゃいますよね。
これと似たようなシチュエーションで後悔した人もきっと少なくないことでしょう。
特にこのシチュエーションは、いかにも女子って感じのシチュエーションだったかもしれませんね。
本当は仲直りしてからお別れしたいのに、お互い素直になれない、そのもどかしさは、短い時間の作品でも十分伝わってくるものがありました。
そんな中で、いい働きをしたのがネコヤドの編みぐるみだったでしょうか。
ネコと言うには微妙なネコの編みぐるみでしたが(劇中ではクマにしか見えないとディスられていましたね(笑))、妙に味のある編みぐるみでした、誰かが背中を押してくれないと、なかなか行動に移せないのが日本人の悲しい性だったりもしますが、だからこそ編みぐるみがいい仕事しましたね。
わだかまりって、本当に面倒くさい、でもちょっとした勇気があればすぐ消えるものだったりもするんですよね・・・まあこれも青春って感じで、思わず懐かしい気持ちにさせられましたよ。
溝口恵が演じたハルはちょっとお調子者って感じの雰囲気で、星名利華が演じたアキはクールビーティーな雰囲気だったのも、分かり易いキャラ設定で良かったと思いました。
もう少し2人が過ごした時間を覗いてみたかったなぁ、ショートフィルムなので仕方ないけど、短すぎてグッと来るところまではいかなかったのがちょっと惜しかったですね・・・。
そんな中でも何気にハルのお姉さんがいい味出していたと思いました!
ちなみに本作は鹿沼に行きたくなるショートフィルムと言うことでしたが、正直そこまで風景的な部分での印象は・・・私の中での鹿沼市は結局鹿沼インターチェンジしかイメージ出来ないのが本音だったりします、スイマセン・・・でも、これも何かの縁、いつか鹿沼で降りてみます。