スノーピアサーのレビュー・感想・評価
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蓄積していく感情が生々しい
後で「グエムル 漢江の怪物」の監督作と知って、あぁ、もうちょっと覚悟して観りゃ良かったと思いました。不快なようなクセになるような空気が、いつまでもまとわりついてくる感じです。
豪華キャストが魅せる怪作でした。
極寒となった地球を、最後の人類達を乗せてひた走る列車スノーピアサー。
荒唐無稽でマンガっぽいと思って観ているのに、蓄積していく感情が生々しいのが奇妙です。
不思議な取り合わせの豪華キャストの中、主演のクリス・エバンスが大健闘だったと思います。ただ彼は若々しいので、もう少し老けて見える工夫があるとよかったと思いました。
ソン・ガンホとコ・アソンの登場は凄く印象的。彼等の存在が中盤の直線的な展開にニュアンスを与えていて良かったです。
暴力シーン注意
思ったより面白かった。洋物かと思ったら、グエムルなどの韓国人監督だから、メインキャストに韓国親子がいたり、日本文化微妙にでてくるのね、納得。
あのお父さん役のソン・ガンホはいい役者だと思う。
設定が未来もの、パニックもの、と、わりと好きなものだったので観たけど、予想より面白かった。
しかしやはり予想より暴力的で、サイレントヒルに出てくる化け物みたいな戦闘員が出てきてきもい。
なんであんな閉鎖的で小さいコミュニティで、みんなあんなに暴力慣れしているのか、、まあ二つの階級を作って互いに憎しみ合わせて政治的均衡を保つのは大昔からどこの世界でも用いられてきた手法ということか。
暴力シーン、おえーシーン、子供かわいそ、老人かわいそシーンが耐えられれば観てもいい作品。
☆3.5ぐらいでもいいが、オチが個人的には気に入らなかったので減らした。
グロ注意。
人間の業。
凶暴なまでの、人間の業。
極限にまで濃縮された縮図で描かれる
人間社会には、必ず破綻があること。
それが計画されたものであろうと、なかろうと
人間の感情がある以上、それは絶対に起こりうること。
この監督はそれを表現している。
は、世界設定に無理がある? 原作が漫画?
そんなことは、事前情報でわかりきったことだったはずだ。
そこをちゃんと描いてもらえないと、納得できないってのは、観客の甘えなんじゃないの?
そんなわかりきったことを踏まえた上で、なぜ、そんな不利な世界設定を監督が課したのか。
そして、そこに描かれるテーマはなんなのか。
そこを読み解かねば、映画なんて観る価値ないよ。ただ、「見た」だけだ。
観客の質は常に問われている。
この監督の提示したテーマ。希望でも絶望でもない。その先に、いや、その過程にあるもの。
それは、人間以上でもない。人間以下でもない。その業でしかない。
痛いほどの視線でそれを見つめさせてくれる映画。辛いのよ。痛いのよ。それが人間なのよ。
とっても面白いですね!
面白かったけどね
残念
ポン・ジュノ監督、初の英語作品という事で「ハリウッド進出」と勘違いしている人も多いようだが、昨年8月に韓国で公開したものの、未だ英語圏では公開されていない。アメリカでの配給権を持つワインスタイン社と揉めて、北米での大々的なリリースは諦めた模様。(一応小規模公開はするようだが詳細不明。)
欧米人のキャストを起用し、より広いマーケットを狙ったのだろうが、ポン・ジュノ監督ファンであれば許せる、楽しめる内容に留まった感があり、幅広い客層への訴求力、説得力は弱い。
作品にとっては不運だが似たようなテーマの娯楽作がこの1年で数多く公開されており、既視感が拭えず単純さだけが目立ってしまった。
またテンポの悪さも気になった。ワインスタイン社と揉めたのも長い上映時間が原因だったようだが、全体的に冗長で残念だった。
ながーい列車
地球がまた氷河期になってしまった近未来。白い雪原を疾走する列車のなかで、強烈なヒエラルキーのもと生き残った人類が生活している。
最後尾の人々は圧政下のなかにいて、人々は先頭に進出しようと、つねに考えている。
フランスのコミックが原作らしいが、オリジナリティにあふれた映画になっている。
ポン・ジュノらしいというのが、まだよくわからないが、人間を見つめる厳しい目はいままでの映画と同様である。
ハリウッドに進出して大きく変わったのは、その描写である。列車中の戦いも迫力満点だし、ラストのスペクタクルもいうことなしである。
役者陣は、安心のソン・ガンホはいうまでもなくいいのだが、クリス・エバンスがいままで観たことのないような芝居でポン・ジュノの期待に応える。
クール・ビューティ ティルダ・スウィントンは出っ歯の入れ歯を入れて熱演。なお、スウィントンはもうひとつ役があることをポン・ジュノが公表していて、それを知らなかったら見過ごすところであった。もうひとつの役はたぶん...。
韓国の監督はアメリカでも自分らしい映画を撮っているのが、単純にうらやましい。
センスオブ奇妙(褒めてる)
ポンジュノ監督ファンなので観た。
ほとんど予備知識無しだったのだが、いつも予想を超えてくる感じで新作を作る監督だけに今回もそうだった。
ハリウッドでSFというとビビッちゃって手堅く作ったりしそうなものだがそんな心配ないほどオリジナル溢れるテイスト。
走る列車という映画的なシチュエーションにSFを絡め、ややキッチュになりそうな程に独自なムード。
しかしそこを越えてくる演出の力を感じた。
ソンガンホはいるだけで漂う存在感。ファンには嬉しい。
話は何言ってもネタバレになっちゃいそうだから書かないけど
ハリウッド的結末では当然無い。
グエムルのラストをちょっと思い出した。
So it is !!
設定や話運びに若干の難はありますが、全体通して面白かった。
私は好きな作品でした。
まず闘争の構図が場面場面で変わる点が良かった。
武力は持たないが、頭数が多い下流階級勢。
武力は持つものの、限れた人数で後方車両の管理を行う上流階級勢。
持たざる多数が、持てる少数に立ち向かう序盤。
そこから車両を前方に進むにつれて
数が、武力の有無が変化していき闘争の構図が変わり続けます。
どの構図でも見せ場を作っているため、次の車両へ移った際の期待感があります。
それから車両毎の特徴が変わる点も良かった。
その合理性は一旦横に置いておいて、各車両が専用車両となっており背景や環境が変わり続けます。
上記の構図の変化と共に、環境の変化にも期待感が煽られます。
特筆すべきは学校車両。
悪い夢のような明るい、明る過ぎる白が支配する車両に。
これまた悪い意味で型にハマった教師と生徒。
この教師が特に最高。
列車「スノーピアサー」に最も感化された、明るい狂気。
この列車の異常性をキチンと示した良いキャラでした。
また学校車両内で流れた映像。
映像自体も異常と言えば異常なんですが、当該映像をセッセと用意していたと考えると更に異常性が高まります。
最後に、登場人物が最高。
特にカーティス側と相反する上流階級の面々が良かった。
上述の教師に加えて、総理。
この総理の序盤と中盤の変わりよう、人間っぽくて最高でした。
総理の「So it is」も含めた演説の厭らしさも良く、中盤の展開をグッと盛り上げる要素になっていました。
正直、話の設定自体は色々と気になる点はあります。
無駄な車両多過ぎない? とか。
大切な、大切なアレをあんな無駄使いして良いの? とか。
18年間線路を整備せず走行可能というのは…JR北に怒られるぞ!! とか。
挙げたらキリが無いのですが、そこら辺の迂闊さ杜撰さも含めて好きな作品でした。
何より韓国映画でお馴染みの手斧と跳び蹴り(本当はドロップキックがベストだったけど)が出てきたので十分及第点です。
神の怒りに触れた身勝手な人類が、神の命に沿ったノアの箱舟に乗った「その後」を描いたような本作。
大きな視点で振り返ると繰り返される展開が見えてラストを希望と捉えるか、先の絶望と捉えるか…色々な見方があると思います。
二週連続で雪降る東京。
寒さの、雪の恐ろしさが身に染みた所で観てきても良いかもしれません。
オススメです。
映画としては120点だが、ポンジュノとしては
そう、映画としては120点。
息もつかせぬというのはまさにこの作品。
アクション映画としてもSFとしてもすばらしかった。
何よりも役者がすばらしい。
ソン・ガンホ、コ・アソンの親子(?)コンビもよかったが、ティルダ・スウィントンの異才っぷりもなんとも言えない。
明らかに日本の原発を意識して作られた作品だが、その辺も含めて全人類向けのシニカルなギャグは健在。
さすがポン・ジュノといわざるを得ない。
しかしながら、ポン・ジュノの映画としてこれはどうなの?って部分も結構見受けられる。
ポン・ジュノ臭さというか、それが薄くなっている。
ある意味別の監督がやっても一緒ではないかと思ってしまうくらいに毒っ気が抜けてしまった。
それがちょっと残念。
ポン・ジュノはうまい。けれどもそれだけになってしまったらポン・ジュノである必要がない気がする。
詰め込み感があり、中途半端
雪の中を爆走する列車の中で起きる革命。
人の深層心理を描く、アクション巨編の
はずでしたが・・・。
正直に言って、感情移入がしにくい。
登場人物の背景が薄く、キャラも
たっていない。
かろうじて、ソン・ガンホのみか。
コ・アソンなんか使い方もったいない。
まあ、一人一人の生い立ちや、隠れた
エピソードが告白やセリフの中での
説明ではなかなか賛同出来ない。
列車のCGもぱっとせず、
アクションシーンもただ、グロいのみ。
まあ、グムエル自体あまり、面白いと
思わなかった、ポン・ジュノ作品だから
個人的に合わなかったのかも。
他のレビュアーの方も書かれてましたが
韓国映画の悪い部分が出てしまった
ハリウッド作品ってる感じでした。
ラストシーンや物語のオチ含めて
最近見た劇場映画では最低でした。
雪の中見に行ったのになあ(笑)。
列車の迫力がほとんんどないの…
雪を突っ切れ!
イビツが生み出す至高の映像体験
歪。イビツです。何が歪かって、このアンバランス加減ですよ。
ハリウッドにポン・ジュノの韓国パワーを落とし込むと、こうもセオリーが通用せず、予定調和が成り立たないのか?という。
じゃあこの映画との比較対象を何か持って来い!一体これのどの部分が調和じゃなくて何がセオリーじゃないんだ?と問われると、これだ!と一口には云えませんけども(ごめんなさい)。
まあ多分、観てもらえれば自分の云わんとしてることが少なからずは分かってもらえると思うんですよ。「え?その分量でここに力入れて、そっちは結構サラっと描いちゃうの?」みたいな感じ。
んー、何ですかね。アメリカと韓国の文化みたいなもんが噛み合ってないというか。噛み合わせが悪いというのかな。
やね、だからつまんね!て云ってる訳じゃないですよ。このバランスの悪さがたまんねえ!てことです。
それとね、こう、韓国映画を観ている様な錯覚が起きるんですよ。つか錯覚じゃないですね。韓国映画だなこりゃ。ソン・ガンホが跳ね回ってる時点で韓国映画だわ。正真正銘。うん。
ポン・ジュノ作品だけじゃなくて、あの、韓国映画を観ている時に感じる、独特のカオス感と云ったらいいのか。もう、あの感じ。あれがまんま漂ってます。ハリウッド俳優の出てくる韓国映画です。
それででしょうか、それが不思議な化学反応を生み出してるんですかね。ある意味で、ある部分で、歯車が機能してる、みたいな。
で、ここまでストーリーの内容に全く触れずに来ましたけど、そこまで書いてると長ったらしくなるので、ここまでにしておきます。全く参考になってないと思いますけど。
いや、でもね、「まるで誰も見たことのない未体験ゾーン!」と表現すると云い過ぎかもしれませんが、このアンバランス感にはハマりました。はい。
最後まで息が抜けない…。
予告と期待値は最高!中身は・・・
一足先に、韓国で観ました。
まず、予告の映像や設定を聞くと本当に面白そうです。この内容をどう料理するんだろうかとにかく想像するだけでワクワクします。そしてあの「グエムル」のボン・ジュノ監督。面白く無い訳がありません。
と大期待で見に行きました。映画が始まってしばらくたって、だんだん気づくのです。「あれ、これもしかして面白く無いんじゃ・・・。」
気づいた時にはもう遅いです。映像・設定・役者、どう考えても面白そうなのに、映画は全く面白く無いんです!
内容はよくある貧乏人が支配階級のお金持ちのところに乗り込んでいく話です。最後には○ド・ハ○スまで出てきます。豪華です。でも中身がありません。
この映画の評価を検索しても「面白かった」という言葉は一言も出てきません。ただみんな口を揃えたように、「映像が良かった。」「役者の演技が良かった。」としか出てきません。褒めるところはそれだけなんです。
ただ設定(元ネタのマンガがあるとかないとか)は面白いので、この設定でゲームなどに展開したら面白くなるかもしれませんね。
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