「世界観が素晴らしい」スノーピアサー たかあきさんの映画レビュー(感想・評価)
世界観が素晴らしい
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物語の設定から、非常に面白い作品だ。
地球は氷で覆われてしまい、人類の生きる空間は、走り続ける列車の中だけ。
そこは、先頭から最後尾まで格差社会になっていて、最後尾にいるカーティスは反乱を企てる。
途中、水族館で寿司を食べるシーンがある。
その時に、水槽は閉鎖した生態系だから、生体数を厳密に管理して、魚を食していると聞く。
実は、これは列車全体の話と全く同じなのだ。
いつも各車両の人数をカウントしていて、
数年に一度起こる反乱が、人数合わせの意味を持つ。
つまり、反乱はウィルフォードによって仕向けられたものであり、
ギリアムもウィルフォードと手を組んでいたと分かったときは本当に衝撃であった。
エンジンを動かすには子供が必要で、ウィルフォードは最後尾から子供を調達している。
手の不自然な動きから、メイソンもかつてエンジンを動かしていた子供だったと分かる。
この事実自体が非常に驚きなのだが、
子供を助けようと必死になって、反乱に参加している親たちがいるのに対して、
反乱を鎮静しようとするメイソンが、かつてのその子供、
という構図が上手くできたものだと感心した。
カーティスが先頭へ向かう流れで、私たちは格差社会の実像を見る。
権力者をいいものと刷り込む、気味の悪い教育が印象的である。
映画の半分の要素はアクションだが、迫力満点。興奮して楽しめた。
世界観が素晴らしく、全体を通して大満足の映画。
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