「変装が爆走。」スノーピアサー ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
変装が爆走。
鑑賞理由としてはおかしいんだけど、
私は今作のポスターを見て以来、この中央にいるのが本当に
C・エヴァンスか!?とそればかり考えていたので(本人です)
自分でどうしても確かめたくて…観に行ったのだった。
で、結果。やっぱり何だか彼には見えないんだよなぁ(で、終了)
しかし驚いた!
それをいったらあの総理、T・スウィントンだったなんて!
ナニあの化け方!もう笑いの渦…じゃない凍りつく眼鏡ババァ。
というワケで、今回もP・ジュノはグロい汚ない暗い映像の中に
数々の笑いをブチ込みながら列車を走らせている。
そこ笑えるのか!?という疑問は置いといて、彼らしい描き方。
何とまぁ豪華なキャストを捌くわ捌くわ、あんな役こんな役を
配分しながら、独自の世界観を雪国超特急で周回させている。
誰がこんな話を書いたのかと思えば、原作はおフランスコミック
だそうで、いや~、もう状況そのものがぶっ飛んでいて面白い。
ただ、描き方そのものが韓国系なのは否めず。
手斧(やっぱり出た!)でバッサバッサと切り刻むわ、グチョ!
とかネチョ~!とか、そういう表現がぴったりのグロ映像が多し。
列車の最後尾から最前車両までの、区間大暴動を観る作品。
水野晴郎先生が生きてらっしゃったら、これと「シベ超」の比較?
なんて下らない企画が持ち上がったりして~(そんなワケない)
でも単純にこういう列車モノって、観ているだけで面白い。
最前にいるのが最富裕層、一両ずつ「秩序」に従って貧困度が増し、
最後尾が謎のプロテインしか渡されない最貧困層。今までにニ回、
暴動を起こすも失敗。カーティス率いる反乱軍が行動に出るが…
いちいち小ネタに日本が使われたりと(爆)国際色も豊か。
彼らにとって決して楽しい生活ではないおぞましい過去と現在の
生活が暴露され、いよいよ終盤に仇ウィルフォードと対決するも
意外な理由が明かされるという、最後までオチがつかない展開。
まぁ韓国映画でもあるからS・ガンホを出したのかなと思ったけど、
彼が提示する最後の賭け、これが「秩序」とどう関係するかが見物。
袋小路に陥った人間は最後にどうするか…。考えさせられます。
(格差社会、貧困層、反乱革命、流血勝利、次支配者の役割は?)