劇場公開日 2014年2月7日

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「So it is !!」スノーピアサー Opportunity Costさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5So it is !!

2014年2月14日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

興奮

設定や話運びに若干の難はありますが、全体通して面白かった。
私は好きな作品でした。

まず闘争の構図が場面場面で変わる点が良かった。
武力は持たないが、頭数が多い下流階級勢。
武力は持つものの、限れた人数で後方車両の管理を行う上流階級勢。
持たざる多数が、持てる少数に立ち向かう序盤。
そこから車両を前方に進むにつれて
数が、武力の有無が変化していき闘争の構図が変わり続けます。
どの構図でも見せ場を作っているため、次の車両へ移った際の期待感があります。

それから車両毎の特徴が変わる点も良かった。
その合理性は一旦横に置いておいて、各車両が専用車両となっており背景や環境が変わり続けます。
上記の構図の変化と共に、環境の変化にも期待感が煽られます。
特筆すべきは学校車両。
悪い夢のような明るい、明る過ぎる白が支配する車両に。
これまた悪い意味で型にハマった教師と生徒。
この教師が特に最高。
列車「スノーピアサー」に最も感化された、明るい狂気。
この列車の異常性をキチンと示した良いキャラでした。
また学校車両内で流れた映像。
映像自体も異常と言えば異常なんですが、当該映像をセッセと用意していたと考えると更に異常性が高まります。

最後に、登場人物が最高。
特にカーティス側と相反する上流階級の面々が良かった。
上述の教師に加えて、総理。
この総理の序盤と中盤の変わりよう、人間っぽくて最高でした。
総理の「So it is」も含めた演説の厭らしさも良く、中盤の展開をグッと盛り上げる要素になっていました。

正直、話の設定自体は色々と気になる点はあります。
無駄な車両多過ぎない? とか。
大切な、大切なアレをあんな無駄使いして良いの? とか。
18年間線路を整備せず走行可能というのは…JR北に怒られるぞ!! とか。

挙げたらキリが無いのですが、そこら辺の迂闊さ杜撰さも含めて好きな作品でした。
何より韓国映画でお馴染みの手斧と跳び蹴り(本当はドロップキックがベストだったけど)が出てきたので十分及第点です。

神の怒りに触れた身勝手な人類が、神の命に沿ったノアの箱舟に乗った「その後」を描いたような本作。
大きな視点で振り返ると繰り返される展開が見えてラストを希望と捉えるか、先の絶望と捉えるか…色々な見方があると思います。

二週連続で雪降る東京。
寒さの、雪の恐ろしさが身に染みた所で観てきても良いかもしれません。
オススメです。

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Opportunity Cost