「設定が極端だけど、それは当然狙った部分」スノーピアサー どうか夢だと言ってくれ!さんの映画レビュー(感想・評価)
設定が極端だけど、それは当然狙った部分
地球温暖化を阻止するために世界中の頭のいい人達が7年間も議論した末、散布されることとなった「CW-7」。ところが量を間違えたのか、温暖化から一気に氷河期みたいな状況に。生き残った人類は、それまで変人としか思われていなかったウィルフォードが敷設していた世界一周鉄道で回周しながら絶滅を免れることになった。
この、偉い人たちが決めたことややったことで大変な目に遭う、という図式がほんと好きですね、ポン・ジュノ監督。
原作のすごいところだと思うが、鉄道という乗客に「等級」をつけていたシステムがそのまま社会階層の序列を現すような状況を生み出した後に起こる諸々が、いかにもポン・ジュノ監督の好みそうなものではある。きっと他の監督や製作会社でも映画化の企画を持っていただろうに、結果的にポン・ジュノに落ち着いた理由はきっとあるはずで、そこも興味深い。
今回2回目の鑑賞だったが、1度目の鑑賞時は正直「はあ、そうですか」以上の感想をほとんど抱かなかったのだが、今回は何故だかとても面白く観れた。上流・中流階級の人々にとって、最下層の人々は食料や水以下って感じに扱われて、いや、そもそもいるとも思っていないのだろう。それでもなぜか全員殺さないのは他に理由があったりで、とまあ、社会の縮図を列車の連なりの中に描くのは当たりだったな。
権力を表象するための食べ物=日本食、は韓国映画やドラマではよく出てくるので注目。まあそれも、ステーキにはかなわないわけだが。
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