劇場公開日 2014年2月7日

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「ハリウッドでも「ポン・ジュノっぽい」」スノーピアサー といぼさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ハリウッドでも「ポン・ジュノっぽい」

2020年3月7日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

「パラサイト半地下の家族」でアカデミー賞を受賞したポンジュノ監督のハリウッド作品。
私が観るポンジュノ監督作品としては、「パラサイト半地下の家族」「母なる証明」「殺人の追憶」に続いて4作目です。

ポンジュノ監督作品にしては世間的に評価がイマイチ高くないこの作品ですが、私は結構好きでした。描かれているテーマは「パラサイト」と通じる部分がありますし、富裕層と貧困層の格差や搾取については「パラサイト」以上に生々しくグロテスクに描かれていたように感じます。

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2014年、地球温暖化を止めるために散布された冷却剤CW-7の影響で、世界には氷河期が到来した。極寒の世界で生き残ったのは「スノーピアサー」という列車の乗客のみ。氷河期到来から17年後、列車の中では先頭車両の富裕層と最後尾車両の貧困層とで分断される厳しい階層社会が形成されていた。そんな中、最後尾車両のリーダーであるカーティスは自由を求めて先頭車両にいる富裕層たちへの反乱を実行するのだった。
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「パラサイト半地下の家族」では半地下の汚い住宅と高台にそびえる豪邸とで貧富の差を表現していましたが、この作品では列車の車両によって貧富の差を表現しています。半地下住居というのは韓国社会の独特な貧困層の象徴ですが、列車による貧富の差の表現というのは国籍関係なく分かり易い露骨なものですので、その辺にも「ハリウッド作品だから誰から観ても分かり易いように」という配慮を感じます。

といぼ:レビューが長い人