劇場公開日 2014年2月7日

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「走る箱舟!サノスを倒せ」スノーピアサー kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0走る箱舟!サノスを倒せ

2019年5月17日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

知的

 まさしく格差社会の縮図と化した列車内部。最後尾のテイルズ・セクションから不満だらけの男たちが立ち上がり、フロントセクションに居るはずの列車開発者のウィルフォードに立ち向かうという革命を起こそうというのだ。

 まずは食い物がプロテインばかりで飽き飽きしていたテイルズの貧困層。総理(ティルダ・スウィントン)が人数確認に来たり、子供を連れ去ろうとしたりするのだが、前方車両の様子が全くわからないのがいい。氷河期突入直後に走り出した列車には「7人の反乱」とか「マクレガーの蜂起」など、過去にも暴動とも反乱ともつかぬ事件が起こっていたが、最後尾車両から先頭車両には誰も到達した者がいなかった。そこで、投獄されてはいるが、セキュリティのプロ、ナムグン・ミンスの手を借りて突破しようと試みる面々。

 一両前が監獄セクションになっていて、その先は食品工場、斧を持った用心棒のセクション、農場、水族館、とさつ場とか色々ある。独特な設定の上に、この摩訶不思議な、ある意味ファンタジー特急みたいな世界観が面白いのです。トンネルに入ったところで敗色濃厚なのに松明で反撃したりと、アクションにも見どころはあるのですが、いかんせん列車という限られた空間ではちょっと弱い。それでも山奥でのカーブで遠距離射撃という目新しい描写も!

 主人公カーティス(クリス・エヴァンス)なので、まさにキャプテン!というか、リーダーとして活躍するのですが、なんとかウィルフォード(エド・ハリス)のいる先頭車両に到達するも、食事に誘われ、列車の仕組みや生態系のバランスといった話を延々と聞かされ、人間までも数の統制がなされていたことにショックを隠せない・・・サノスと同じじゃん!

 途中までは引き込まれてしまったのですが、貧困層の数が圧倒的に足りないこととか、生産性のある役職なんて農場だけじゃん!と感じてしまったことで、納得できないことも多かった。富裕層はどこから搾取しているんだ・・・などと感じたら、革命の意味も弱かったことに気づく。それにしても、永久機関の動力源が〇〇〇だったとは。嘘やろ・・・

 意外とオスカー俳優2人、オスカーノミネート俳優2人と豪華だった。やるなぁ、ポン・ジュノ。

kossy