湘南ものがたりのレビュー・感想・評価
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自己陶酔型妄想映画
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葉山陽一郎監督が20代のころに16㎜フィルムで撮った自主映画2作品、「展望台のある島」と「鎌倉物語・黒い桜」を合体、「湘南ものがたり」と題して下北沢トリウッドで限定ロードショーされたもののDVD化作品。両編は作風も内容も全く異なる別物、単に江の島と鎌倉が舞台なのをひっかけて湘南として括ったのでしょうが強引さを禁じえません。
「展望台のある島」は若いカップルのデート話、男は元カノとの思い出のある江の島に今カノを連れて訪れる、冒頭で弁天橋を恋人と渡ると別れるという江戸時代からの地元の風評を語らせ、これまた悲恋に終わるのか観客をやきもきさせるというつくり。
「鎌倉物語・黒い桜」の方は夢を見られなくなり只管悩む青年の妄想劇、あまりにも支離滅裂なストーリーなので作者はいったい何を言いたかったのかに興味を持ち退屈さに耐えながら鑑賞したが作家性が強すぎて凡人の私には理解できませんでした。こちらは製作当時に公開されなかったそうですが理由がわかる気がします。
おそらく、それを気に病んでいた葉山陽一郎監督が比較的分かりやすい「展望台のある島」と合わせることで日の目を見せたかったのでしょう。アナログTVの時代にはテレビ映画も16㎜が主流でした、ウルトラセブンなども今のデジタルリマスター技術で蘇っていますので好機と思ったのでしょう。ただ、本作は予算がなかったのかボケボケの映像のままと改善があまり見られませんでした。そのせいか、わざとピントをぼかしたり暗いシーンが目立ちますし、セリフに大音量のBGMを被せたりして誤魔化そうとしているようにも思えます、邪推でしょうかね・・。
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