劇場公開日 2014年2月15日

「モグラのクセに猪突猛進」土竜の唄 潜入捜査官 REIJI 浮遊きびなごさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5モグラのクセに猪突猛進

2014年2月21日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

楽しい

いやあ、楽しかった!
最初から最後まで笑って観られました。

色彩はギラギラしてるしキャラやCGもマンガっぽいし、
最後なんて突然ヒーローアクションみたいになるし(笑)。
原作マンガは知らないけれど、マンガのコマから
飛び出したようなハチャメチャ具合。

けれど、監督が今までヤクザ映画や不良映画を
多く手掛けてきた方ということもあってか、
格闘シーンや街中での銃撃戦なんかには凄みがあるし、
ヤクザ社会の流儀の細かな描写とかは妙なリアリティもある。

* * *

魅力はなんといっても強烈なキャラクター達。

主人公レイジは、次々に襲い来るピンチを
気合と根性で乗り切る熱血漢……というか、
清々しいくらいにメーター振り切った
ウルトラ熱血バカである。

モグラっていうかイノシシだよね。
繁殖期で気が荒くなってるイノシシだよね、これ。
常に突進ぎみだし鼻息荒いし「俺のスケベは
一本気だ!」とかよく分かんない漢気宣言してるし。

ハラキリ蝶々! お皿バリバリ!など
あきれるほどド天然な行動を連発するのにバッチ来~いな
鋼のメンタルでどうにかなってしまう展開に爆笑。
スベリ気味のギャグも少なくはないんだけど、
そんなギャグすらもキャラの勢いで乗り切ってみせる。
常に120%テンションで、セリフの1/3くらいは絶叫……。

生田さん、無感情な『脳男』の反動で
おかしくなっちゃったんだろうか(爆)。

* * *

周りのキャラもどうかしてる人たちばかり。

上司トリオはキャラも顔も暑苦しくてしょうがないぜ!
まったく嬉しくないサービスカットも満載だ!
(あのゴリラのプロモ映像みたいなのは何だったんだ)

仲里依紗も家族連れで観てたら気まずくなりそうな
キワどいシーン連発。『ゼブラーマン2』でもだったが、
三池監督の作品では毎回こういう扱いになるのか、彼女。

堤真一演じるパピヨン兄貴は腕っぷしは強いし、
弱者や義兄弟に見せる漢気が泣けるんだけど、
基本的にはやっぱりイカれた方である。
クライマックスのアレとかブッ飛び過ぎ(笑)。

唯一 、山田孝之だけは本気で怖カッコいい役だった。
ホントこの方は多彩な役ができるね。アクションもいけるし、
厚手のコートを着て消音ピストル構えた姿があんなに様になる
俳優さんて、日本にはなかなかいない気がする。

* * *

ただ、残念だった点もいくつか。

岡村隆史演じるネコザワさん。
見た目の割には案外マジメなのである。
せっかくお笑いスキルの高い芸人さんを起用したんだから、
もっとアホなキャラ設定で笑わせて欲しかったかなあ。

上地雄輔演じるヒョウ柄男。
どちらに振れるか分からないワイルドカードなキャラな訳だが、
書き込み不足でイマイチ輪郭がハッキリしないキャラに思えた。
もっと出番増やしてあげればよかったのに。

あとね、三池監督お得意(爆)の下ネタ要素が
割りと強めに出ているので、人によっては
ドン引きするシーンもあると思います。
友達連れてワイワイ観るにはちょうど良いけど、
小さなお子さん連れで行くのは……オススメできない……。
お父さんお母さん、要注意。

* * *

以上!
笑えるし熱いしちょっと泣けるし、楽しい映画でした。
続編あるなら観てみたいな。
ここからさらに面白くなりそうな終わり方。

〈2013.02.15鑑賞〉
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余談:
ファンの方には申し訳ないが、クドカン脚本の映画って
特に中盤~後半で間延びすることが多いと思う。
舞妓の映画とか謝罪の映画とか。

けど今回は130分という長尺にも関わらず、
ストレスのないサクサク具合でグッド。強烈キャラ/ネタの
多い脚本を映像化する側のスキルの違いなんだろう。

少なくとも、謝罪のアレみたいにエンドロールで
突然PVになるような訳分からん演出が無くて良かった(笑)。
あんなん絶対脚本に無いと思うんだけど。

浮遊きびなご
としぱぱさんのコメント
2014年2月24日

浮遊きびなさん

こんばんは。
私もやっとみてきました。
面白かったですね。
私は原作のファンなのですが
イメージを壊さず、納得の出来です。
実写版と言われると違いはあるのですが
ハチャメチャ感は負けていませんでした。
是非、原作を読んでみてください。

クドカン脚本への意見、同感です。
個人的には、好きと嫌いにはっきり
別れる脚本家さんですね。

としぱぱ