「宿敵は最高のベストフレンド!悔いの残らないようケリを付ける2人は面白い奴らだ!」リベンジ・マッチ Ryuu topiann(リュウとぴあん)さんの映画レビュー(感想・評価)
宿敵は最高のベストフレンド!悔いの残らないようケリを付ける2人は面白い奴らだ!
「孫が出来て、60代になり年老いてきても、未だ未だ俺たちも立派にこの世で生きているんだ、ナメンナヨ!」と言わんばかりに、思わず現役世代の若者に喝を入れる叫びが
響きわたるような作品だった。
流石はデ・ニーロ様ご出演の作品だ。
一方、スタローンのパンチも心にバシッと刺さるような作品だった。
と言うと何やら、説教臭い、地味で詰まらない作品の様な響きになってしまう。
だが、この映画初めから終わりまで、かなり笑えます!!!
親父ギャグの連発と言うのか?些か、映画の作りは古風な感じで今風でないので、70年代の匂いもするのですが、実際に格好悪い親父の老いぼれギャグが炸裂と言うわけではなくて、この2人の主人公達の生き様が、初老になっているのに何のその。悪足あがきの連続なのだ!その生き方自体が笑えるのだ!
世間一般的には、そろそろ老いぼれて、静かな余生を送ってもいい年頃だと言うのに、全く人間的に枯れない、良く言うと少年のような純粋な心を失わない奴らと言うのだろうか?
ところで、人生には宿敵がいた方が断然面白く人生を生きられるのだな?とこの作品を観ていると全くの他人事なので、その展開の面白さに感情移入出来る作品でもあった。
それにスタローンが、自分の出世作であるあの「ロッキー」をパロッテしまう作りも彼のプロ魂の凄さを感じる一面だった。
この作品で、デ・ニーロはボクサー引退後、水商売で成功を収めている典型的、昔のスターと言う生き方がぴったりのキャラ。一方引退後は、底辺の生活へと落ちても自分の信念を曲げない頑固者をスタローンが演じている。この相反する2人が繰り広げる家族を巻き込んだ人生模様がコミカルに描かれているけれど、その内容的には結構涙と笑い有りのシリアスな人生模様なのだ。
実に人生の決着をどこで着けるのか?やり残している事がある人生に、どの様に立ち向かい、自己の人生の再起を賭けて出直す為に戦うのか?
「日本も高齢化が進み、60代になったからと、肉体年齢だけで引退などしないで、家にばかり引き込まずに、もう一花も二花でも咲かせようでわないか?」とデ・ニーロとスタローン強く背中を後押しされたようなそんな元気の出る、そして大いに笑える作品だった。
ところで、デ・ニーロは多数コメディー映画に出演し、様々なキャラをこなすけれども、基本はシリアスな演技派の俳優だ。この映画のように、ハリウッド作品ではコメディアンがコメディー映画で可笑しなキャラを演じるより遥かに面白いのは何故だろうか?