「この“MAD”な世界に陶酔せよ!」マッドマックス 怒りのデス・ロード ao-kさんの映画レビュー(感想・評価)
この“MAD”な世界に陶酔せよ!
逃げるから追われる、追われるから逃げる―
極めてシンプルなプロットでありながら、息をつく暇がないほどの興奮とスリルを提供してくれる。単純?捻りがない?いいや、無駄がないという表現がこの作品には相応しい。
前作から30年、既に構築されたシリーズ特有のカオスな世界の中で繰り広げられる怒濤のカーチェイスは正にマックス級。極力実写にこだわったというアクションシーンの数々はCG全盛の昨今において、本物に勝るものなし!ということを明示する。
“ひたすら走り続ける逃走劇”ではあるが、車のトラブルなどのエピソードを盛り込むことで物語に緩急が生まれる。ただし、ブレーキはない。シリーズの生みの親、ジョージ・ミラーだからこそできる巧みなギア操作により、物語は4速から2速、かと思えば、いきなり5速へとシフトチェンジする!観客は振り落とされないよう、座席にしがみついておくことをお勧めする。
そして、この世界観だからこそ活きてくるキャラクターたちも本作の魅力。トム・ハーディ演じる二代目マックスはニヒルさを増し、悪役・ジョーも親心があるからこそ、マックス達を追いかけるというのが面白い。極めつけは大隊長フュリオサと敵の手下のニュークスであるが、彼らの魅力は言葉で説明するよりもその行動、その生き様、そのアクションを見てもらいたい。もちろん、おばあちゃん軍団も最高だ!
イカれている?狂っている?当然だ。これこそが“マッドマックス”なのだ。四の五の言うな、この“MAD"な世界に陶酔せよ!