「生きねば」マッドマックス 怒りのデス・ロード Movieアパートさんの映画レビュー(感想・評価)
生きねば
歴史に残る驚異的大傑作 という評価は既に定着している怪物映画
映画のキモとなるのはもちろん、開始直後から徹頭徹尾繰り出される驚異的アクションの数々 絶え間無く連動し続けるアクションが音楽的興奮とリズム、位置関係の整理された完璧なカメラワーク、各キャラクターの個性と関係性の変化の中で強力に物語を語っていく
特に一番のポイントは 移動し続ける というところだけど、文字通りほぼ一度も停滞することなく物語というかアクション(しかも超ド級の)が起こり続けるし、画面上で起こってることだけでもこの映画は歴史的大傑作 狂った世界とそこで繰り広げられる人知を超えたアクションこそこの映画最大の魅力なのは間違いない
ただこの映画、画面上で起こる驚異的なアクションに加え、実はその下で流れる登場人物たちの感情の揺れ動きまで丁寧かつ繊細に描き出されちゃってるというから末恐ろしい
特に個人的にグッとくるのは、死ぬことを目的として生きるウォーボーイズに追われながら、全てが失われたかと思えるほど荒涼とした世界の中で生きる意味と目的を求め走るマックス達という構図
生きることにもはや希望など持てなくなった世界の中でも人間らしく生きることを諦めないからこそマックスとフュリオサとワイブス達は互いに背中を預ける事が出来るし、そう考えると 生きる ことから逃げずに砦に戻るという選択の真の意味も見えてくる
さらには、死ぬことの意味を失ったニュークスがラストにとる 生きた証としての自己犠牲 とか 命を育み未来への希望を育てるために受け継がれる 種 とか とにかくこの映画 人間らしく生きることへの 徹底的な肯定が物語を貫いてて、そこが何しろ感動的だと思う
そしてラスト 互いに生きる事の意味を一度失ったマックスとフュリオサが 逃げずに生きる事と向き合うことを確かめ合い、健闘を称え合うようなアイコンタクトを交わし別れていく姿たるや! ズシーンとくる
まとめるなら 映画史上最強のアクションエンターテイメントを通して描かれたのは 生きる事の力強さと未来への希望 という 超普遍的で感動的なメッセージ
これは映画史というかエンターテイメント史に残る超大傑作だ