劇場公開日 2015年6月20日

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「女性だけでなく男性だけでなく逃亡でなく協力して革命せよ、と。」マッドマックス 怒りのデス・ロード nyaroさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5 女性だけでなく男性だけでなく逃亡でなく協力して革命せよ、と。

2025年7月11日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

興奮

知的

斬新

 冒頭は非常にフェミニズム臭がする話に感じます。男性が宗教的に支配する共同体からの女性の逃走劇です。妊婦が犠牲になるというのも象徴的です。女性は大事にされています。男のトップは自分を犠牲にしても妊婦を守ろうとします。その点では人間的ですが、しかし、最大の許しがたい点は自由意思がないということでしょう。

 ただ、主役のマックスも血液を搾り取られます。つまり、労働搾取であり生命搾取ですね。また、共同体で働く男たちも、宗教によって洗脳されて戦うことになります。死後の世界を信じさせて、バーサーカーにさせられます。これはフェミニズムだけでなく分断による労働の搾取のことです。

 一方で、ウォータンク上で男女は同じ目的にむけて協力しだします。そこには愛も生まれます。つまり、人間の自然な姿です。途中ちょっと中絶のメタファがあるのがやりすぎ感はなくはないです。

 新しい世界への旅立ちです。と、思うと意外などんでん返しですね。これは楽園は無いという事です。ならばどうするのか。それは革命せよということです。今生きているところが地獄なのではない。支配している人間により地獄にさせられているのだという話なんだと思います。

 アクションはかなりすごかったですが、メッセージ性もかなり強い作品でした。5点満点から0.5点減点したのは、後半もう10分か15分短くてよくないか?と思ったからです。

nyaro
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