「遠い素晴らしい異国をもとめて脱出した女性たちが、結局元居た世界を変える展開に共感」マッドマックス 怒りのデス・ロード Kazu Annさんの映画レビュー(感想・評価)
遠い素晴らしい異国をもとめて脱出した女性たちが、結局元居た世界を変える展開に共感
ジョージ・ミラー 監督による2015年製作のアメリカ映画。原題:Mad Max: Fury Road、配給:ワーナー・ブラザース映画。
坊主頭で顔や頭を黒く塗り激しいアクションをこなしているヒロインのヒュリオサ大隊長が健気で実にカッコ良くもあり、主演のはずのトム・ハーディによるマックスを完全にくっていた気がした。恥ずかしながら誰が演じていたか分かっていなかったのだが、見終わった後にシャーリーズ・セロンと知り驚愕。敢えて美貌を目立たなくし、危険なアクションを恐らく伴うハードな撮影で、昔の綺麗綺麗な大女優と大きく異なる凄い俳優根性と唸らされた。
ストーリーも、カーアクション映画ながら、独裁男の抑圧からの女たちの自由を求めての脱出劇を被せ、見事に現代性を取り込んで共感を覚えた。遠い素晴らしい異国をもとめていた彼女らが、結局元居た世界を変える展開もメッセージ性が有りとても良い。
闘いの中、敵側だが火を噴くギターもなかなかだったが、ドラムではなく和太鼓の様な大きな太鼓が部隊を盛り上げるとこがとても気に入った。
監督ジョージ・ミラー、製作ダグ・ミッチェル 、ジョージ・ミラー 、P・J・ボーテン、製作総指揮イアイン・スミス、クリス・デファリア 、コートニー・バレンティ 、グレアム・バーク 、ブルース・バーマン 、スティーブン・ムニューチン。
脚本ジョージ・ミラー 、ブレンダン・マッカーシー 、ニコ・ラザウリス、撮影ジョン・シール、美術コリン・ギブソン、衣装ジェニー・ビーバン、編集マーガレット・シクセル、音楽
ジャンキー・XL、視覚効果監修アンドリュー・ジャクソン。
出演 トム・ハーディ:マックス、シャーリーズ・セロン:フュリオサ大隊長、ニコラス・ホルト:ニュークス、ヒュー・キース=バーン: イモータン・ジョー、ゾーイ・クラビッツ: トースト、ロージー・ハンティントン=ホワイトレイスプレンディド、ライリー・キーオケイパブル、アビー・リー・カー:ショウザ・ダグ、コートニー・イートン:フラジール、ジョシュ・ヘルマン: スリット、ネイサン・ジョーンズ: エレクタス、ジョン・ハワード、リチャード・カーター。
> 火を吹くギター
「AKIRA」を思い出させるリスペクトシーンで、自分はお気に入りです。大太鼓も "アニミズム" の原点で、やはり心が震えまそよね。
> 元いた世界を変える
素晴らしい! 本作がなんだか心に残り続けるのは、映像、音響ももちろんですが、そのメッセージがあるからなのかもしれないと、あらためて思いました!素晴らしいレビュー!!