「初めてのマッドマックス」マッドマックス 怒りのデス・ロード 葵須さんの映画レビュー(感想・評価)
初めてのマッドマックス
マッドマックスという作品の存在は、fallout3,4やBorderlands等のポストアポカリプスを舞台としたゲームにおいて見聞きしていたが、作品を見たことは無かった。そのため、この四作目が私にとってマッドマックスに触れる最初の作品となった。
結論として、良くも悪くもないというような印象が残る。イカれた野蛮な世界観にしては、感傷的なBGMが随所で流れるように、残酷でイカれたように見える世界観は見せかけであって、その皮を剥いで見れば、剥がずとも見えるが、人類がよく経験してきた奴隷制への反逆的な物語である。タイトルにロードとあるように、今作品の主要な目玉場面は一貫して命をかけたカーレースである。迫力がある殺し合いであるが、そこに楽しみを見いださなければ今作品はその人にとって楽しめたものではないだろう(自分にとってはうん、まあ、退屈ではないかなという程度)。
結論を補足する印象として、私がハリウッド映画を見る時によく感じる薄いという印象がある。重たいテーマを感じないということだ。寡黙なマックスという主人公の立ち位置を描けていないという点は、続篇であるからしょうがないとして、フュリオサ、イモータン・ジョーのそうなった根拠が描けていないように感じる。映画という短い時間だから描けなかったとして、それぞれの主要人物に役割以上のもっと感情移入させるようなものを感じられなかった。アクションや感動や勝利のシナリオが流れる所を少し離れて「ただの」ジェットコースターとして感じているような感覚だ。一番感情移入できたのはニュークスか。等身大のキャラクタの成長する姿を見ることができた。