「進化するド迫力な世界」マッドマックス 怒りのデス・ロード 白波さんの映画レビュー(感想・評価)
進化するド迫力な世界
シリーズ4作目となるこの新作マッドマックス、3作目の「サンダードーム」から実に30年ぶりになるんですね。
このシリーズを好きな人は、どれだけこの新作を待ちわびた事でしょう。
10年程前に発表がありましたが、様々なトラブルから撮影は頓挫。
当初出演予定だったメルギブソンも次第に興味を無くし事実上の降板。
そうこうしているうちにミラーは「ハッピー フィート2」を制作するなど、もう消えた企画だと思っていたので、この嬉しさは相当でした。
しかしながらもう一つ個人的な懸念は、監督のミラーがすでに70間近と高齢であることです。
以前のようなエネルギッシュなフィルムが作れるのかという不安がありました。
しかし、トレーラーが公開されるとそんな不安は吹っ飛びます。
これは期待できそうだ!そう思わせるに十分な予告でした。
そして迎えた当日、いざ始ると最初っから思いっきり飛ばしています。
とにかくその映像の勢いが凄まじく、想像を遥かに上回る出来でした。
私は試写が始る前「まぁ…でも流石に2には届かないだろうな」と思いながら臨んだのですが、これがもうとんでもなく素晴らしい出来でした。
御大70にしてここまで進化できるのかと驚きを隠せません。
スクリーンに映される映像は大迫力の連続。
一言で表すなら狂喜乱舞。
まさにMADがMAXなのです。
ここまでぶっ飛んだ作品は近年中々ないでしょう。
インパクト面だけでなく、ちゃんと細かいところも作り込んでいるのがまた良いんですね。
代名詞ともいえるインターセプターはもちろん、ソードオフショットも出てきてニヤリとさせてくれます。
また全面バイオレンスなのですが、グロい描写は一切ないので観る層を選ばないのも良いですね。
とにかく最初から最後までスピードがほぼ落ちずに、クライマックスが連続しているような作品です。
人によってはどっと疲れるかも(実際に試写会後「何だか凄すぎて疲れたー!」って言っている人がいました)しれませんが、この疾走感はものすごいですよ。
そして嬉しい事にこのマッドマックスは5作目となる「マッドマックス: ザ・ウェイストランド」、更に6作目まで企画されており、新シリーズは全三部構成のようです。
今後もこの世界が観られるかと思うと嬉しくてしょうがありませんね。
シリーズが好きだった方はもちろん、スカッとしたい方は是非みてください。
日常とは懸け離れたド迫力な世界が待っていますよ。