「呪怨のとしおくんがいっぱい!」マッドマックス 怒りのデス・ロード kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
呪怨のとしおくんがいっぱい!
乳絞り女とか子産み女とか、奴隷制度が行きつくところまで行ったへんてこな近未来。主人公はマックス(ハーディ)というよりヒュリオサ(セロン)という印象。彼女の裏切り逃亡行為を促したのは、故郷への強い念。生まれ故郷の「緑の地」でやり直せば平和に暮らせると信じてだったのだ。
巨大なタンクを積んだ大型トラックを追いかける独裁者ジョーの軍団はヒュリオサにかわされながらもしつこく追跡。軍団の中には輸血しながら拘束されているマックスの姿もある。しかしその運転手であるウォーボーイのニュークス(ホルト)とともに彼女たちのトラックに乗り込むのだった・・・
ウォーボーイという設定はなぜだか特攻精神あふれる旧日本軍やイスラム国兵士のようで、命を捨てられなかったことに悔やむ姿なんて皮肉たっぷりだ。また追手のトラック軍の中には楽隊もあって、フロント部分には火を噴く派手なギターマンもいる(笑)。カーチェイスシーンはさすがに手慣れたものであるが、後半になってかつての緑の地が不毛の地帯となっていたことに嘆いたところが新しい。無情観を味わったところで、今度はジョーの砦に戻ってやり直す決意をする展開そのものもむなしくさせる。
今回、リバイバル上映にて再鑑賞。やっぱり音がいいと気持ちいい。
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