劇場公開日 2015年6月20日

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「アカデミー賞10部門ノミネート作品!」マッドマックス 怒りのデス・ロード いちのちからをごぶんかつさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0アカデミー賞10部門ノミネート作品!

2016年1月16日
PCから投稿

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第88回アカデミー賞のノミネート作品が発表されました!
中でもなんとマッドマックスは10部門ノミネートという驚きの結果!

見たことがない方、特に「アクション映画なんて中身ないし~」「なんでこの作品がアカデミー賞に…」と思っているそこのアクション映画が苦手なアナタ!アクション映画入門にぴったりな作品ではないでしょうか。

【何が評価されているのか?】
作品賞、監督賞、撮影賞、編集賞、美術賞、衣装デザイン賞、
メイキャップ&ヘアスタイリング賞、視覚効果賞、録音賞、音響効果賞…
今回ノミネートされたのは以上10部門。
見てわかるように本作は「脚本が評価されている」「演技が評価されている」わけではありません。
実際、ファンの自分からしても脚本は王道で、とにかくセリフ数が少ない。
捉えようによっては「中身がない」とも言えるでしょう。
ところがどっこい、この作品は脚本やセリフを極端に削り、演出やアクションのビジュアル面におもいっきり力をかけた「中身が濃すぎる極振り映画」なのです!

【美しい映像と編集力の高さ!】
セリフの少なさを活かした映像面のテンポの良さは半端ではなく、アクションに次ぐアクションで熱が切れない状態が常に続きます。

セリフの少なさは一言一言に重みを与え、心理描写も表情や行動を中心に描かれています。

絵コンテの作成にかけた年数はなんと二年!
それだけねりこまれたカット割りやアクションには一切の無駄がありません。

【細部まで手の込んだ世界観に酔え!】
特に美術賞、衣装デザイン賞、視覚効果賞などのノミネートからもわかるように、本作は映像面で高く評価されています。

1.CGを多用しない、妥協なしの映像作り
近年のCG多用映画を否定するように、本作では徹底した実物主義を掲げています。
CGは背景や合成の補助など限定的に用いられ、登場する物体のすべてが実際に存在し、破壊され迫力のある映像を提供しています。

2.ぶっ飛び過ぎなキャラクター!
本作のキャラクター達は全員がとにかくエネルギッシュ。
悪の親玉、脳筋の巨漢、鼓笛隊のギターマン、歯まで弾でできている武器将軍など一目で役回りがわかるよう工夫されています。
廃材を利用した衣装は一瞬しか映らないような部分も徹底して作りこまれており、キャラクター性の強化に一役買っています。

3.俳優並みの扱い!?個性豊かな改造車
今作の目玉はなんと言ってもカーチェイス。
個性豊かな改造車がカーチェイスに華を与えます。
悪の親玉が乗る車はエンジンが2つ、タイヤも二倍、車高も二倍、何もかも2倍!
脳筋で巨漢のキャラの車は武器がいっぱい、とにかく大きいタイヤ!
武器将軍の車は武器弾薬でデコレーション!と見て一発で○○の車だ!
とわかるような改造が施されています。
画面に映らない細部まで徹底的に作りこまれていて、どう写っても非常に映える!

4.荒廃した世界を緻密に描く!
イモータンジョーの砦では水耕栽培が行われ、経産婦達は母乳を生み出す半ば家畜と化していたり…
「核戦争後の世界の人々はどう暮らしてるんだろう」「どんな文化が形成されているのだろう」という事がセリフこそまったく無いものの、よくよく見ると恐ろしいほど細かく描写されています。
この辺の細かさはファン同士多くの考察を生むきっかけともなっているような…

【まとめ】
以上のように徹底した作り込みが今作の魅力!
単なる脳筋アクションとは違い(脳筋アクションも大好きですが)作りこまれた世界観、映像美がアカデミー賞でも正当に評価されているのがご理解していただけたでしょうか?

百聞は一見にしかず。
普段アクション映画を見ない人、アクション映画が大好きだけどまだ見ていない方!
後年においても間違いなく傑作と言われ続けるであろう今作をアカデミー賞決定で更に注目が集まる前に見てみるというのはいかがでしょうか?

いちのちからをごぶんかつ
かせさんさんのコメント
2024年5月22日

この年は『オデッセイ』『レヴェナント』『マネーショート』『ヘイトフル・エイト』などの超重量級話題作の中で、最多受賞は快挙ですね。
世界的にも超ヒットしましたし、傑作です。

かせさん