終戦のエンペラーのレビュー・感想・評価
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躍動する初音映莉子をご堪能あれ
太平洋戦争直後の日本とアメリカの史実をもとに描く歴史サスペンスで、「真珠の耳飾りの少女」のピーター・ウェーバー監督がメガホンをとった。主演はマシュー・フォックス、マッカーサー役のトミー・リー・ジョーンズはさすがの存在感。
終戦後の日本にGHQが置かれ、米軍統治が始まるが、日本文化に精通し格別な思いを抱くフェラーズ准将はマッカーサーから極秘命令を受ける。それは、太平洋戦争の真の意味での責任者は一体誰なのかを調査すること。
日本からも多くの俳優が撮影に参加し、西田敏行、中村雅俊、夏八木勲、桃井かおりらが実力を遺憾なく発揮している。そんな中にあって、初音映莉子の唯一無二ともいえる、生命力あふれる演技は一見の価値あり。
GHQとヒロヒトとその他の人々
原題“EMPEROR”
~~ 登場人物(キャスト) ~~
●フェラーズ准将(マシュー・フォックス)...恋愛設定は物語を彩るフィクション。
●マッカーサー(トミー・リー・ジョーンズ)...GHQの最高司令官。元帥。
●高橋( 羽田 昌義)...運転手兼通訳
●東条 英機 (火野 正平)...日米開戦当時の首相。
●近衛 文麿(中村 雅俊)...東条 英機の前に首相だった人物。
●木戸 幸一 (伊武 雅刀)...近衛辞任後、東条内閣を成立させた昭和天皇の最側近。
●アヤ(初音 映莉子)...架空の人物。
●鹿島( 西田 敏行)...アヤの父。
●アヤの母 (桃井 かおり)...鹿島の妻。
●裕仁(片岡 孝太郎)...昭和天皇。ひろひと、良い人?悪い人?
●関屋 貞三郎 (夏八木 勲)...宮内次官(ということにして登場しているが、当時の実際の宮内次官は大金 益次郎だから明らかにフィクション)。
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VODをプロジェクターを使用して大画面で自宅鑑賞しました。
皇居敷地内撮影をしています。
菊の御紋章を付けた車を格好良く撮ってます。
近衛文麿が怒りに満ちて「日米首脳会談を断ったのは米国務省である。」我々日本が悪いならアメリカも同じではないか、アメリカもイギリスも侵略をしているのに何故それは裁かず日本だけ戦犯なのか、といったような発言が印象に残りました。この場面は、映画の賛否の原因のひとつになっています。
今作は、関屋 貞三郎氏の孫である奈良橋 陽子氏が企画・プロデュースしたフィクション映画です。
随所に違和感が散りばめられていました。
そもそも真珠湾の米軍基地への「奇襲攻撃」は、天皇が認可しなければ軍が勝手に動くはずがないと思うのですが...。しかも、ハルノートには触れないとは、やはり天皇もスパイ(CIA)だった説が私の中では有力です。
滅茶苦茶な今作のシナリオを観て、益々、闇が深いのだなと思いました。
天皇陛下の戦争責任を問う
原作は仏文学者・鹿島茂のノンフィクション
「天皇とマッカーサー」をもとにしていて、カズオ・イシグロと
フィリップ・ワイリーが、脚本を書いている。
主人公は実在の米軍将校ボナー・フェラーズで、
彼が、昭和天皇を戦犯として裁くことを回避するために奔走する姿が
描かれます。
《天皇の戦争責任を問えるか?》
これがこの映画のテーマです。
そしてもう一つのサイドストーリーは、フェローズと日本人女性あやとの
ラブストーリー。
あやを演じたのは、「名もなき者」でもエドワード・ノートンの妻を演じた
初音映莉子、この時、30歳になるかならないかの堂々たる演技。
この話しは要らない、とも感じるが、このサイドストーリーがなければ、
連合国が日本の戦犯を裁く・・・
殺伐とした娯楽性も華もない歴史検証に過ぎなくなる。
ここはひとつ我慢するしかない。
戦争責任、
敗戦国のみが全責任を負わされるのには、いささかの不公平感が
つきまとう。
フェローズが天皇・裕仁に会おうとしても、宮内省側は
決して面会させようとはしない。
★天皇は確かにこの戦争を承認した記録がある。
それは天皇の意志なのか?
単に事務的な形式なのか?
★天皇とは軍法会議で決定した事柄に抗う戦力を持つものなのか?
天皇制度2000年の歴史の中、培われたさまざまなしきたり。
現人神(生きている神)と崇め立てられ、その実は何の自由も
楽しみもない。
しかし軍が作り上げた虚像により、
「天皇陛下万歳‼︎」
そう叫んで兵士は死んだ。
“カルト教に似ている“し、“アラーの神にも似ている“
特攻隊は、自爆テロというと悲しすぎる。
戦前の日本はわたしにも想像の付かない危険な国だったのか?
天皇陛下は原爆投下後、戦争の終結を強く望み玉音放送で国民に
敗戦と終結を自らの言葉で伝えます。
フェローズの尽力で、マッカーサー元帥(トミー・リー・ジョーンズ)
と、天皇陛下の面会が決まる。
マッカーサー元帥と昭和天皇が面会したのは、
1945年9月27日のことです。
天皇陛下がアメリカ大使館に出向く・・・非常に異例なことです。
そこで話し合われたのは、戦後日本復興の道すじ。天皇は
日本の平和と安定を強く願う姿勢を示し、マッカーサー元帥は、
日本の民主化を支持する考えを伝えました。
ここに人間天皇が生まれたのです。
フェローズの一連の調査は終わり、結論は天皇が戦争を先導した証拠は
見つからない・・・でした。
アメリカは天皇制度を壊して起こる混乱が復興の妨げになると
判断したのです。
1945年8月14日から15日早朝までの、
天皇が玉音放送をして戦争の終結を伝えるまでの一日間を描いた
「日本のいちばん長い日」と共に、この映画も価値ある作品。
もしかしたら、天皇陛下が戦犯として裁かれたかも、
知れなかったことは、知っておくべきかも知れない。
責任
火野正平さんを偲んで
2024年11月14日に75歳で他界
脇役のイメージが強い
一時期のワイドショーや自転車旅番組では主役だったけど
監督は『真珠の耳飾りの少女』『真珠の耳飾りの少女』『アース アメイジング・デイ』のピーター・ウェーバー
脚本は『コレクター(1997)』『ワイルド・タウン 英雄伝説』のデビッド・クラス
原作は日本人岡本嗣郎
製作者4人の中に2人の日本人
映画監督の奈良橋陽子とその息子で俳優の野村祐人
ハリウッド映画だがかなり日本寄りだと感じられる
それを中立だと感じる日本人も多いだろう
アメリカでの評判はちょっと気になるところ
粗筋
任務のため来日したGHQ将校ボナーは日米開戦のため別れなければいけなかった日本人の恋人の行方を探す
実際に親日家で何度もプライベートで日本を訪れているらしい大物俳優トミー・リー・ジョーンズがダグラス・マッカーサーを演じている
映画業界からすれば人口と文化水準から見て日本は大きな市場だし確実に当てたいなら日本で人気ある俳優を起用するのは当然
ハリウッドでは得意の特殊メイクで似せる傾向があるがそれはない
厳めしい顔なのに缶コーヒーのCMや『メインインブラック』の影響でトミー・リー・ジョーンズという名前だけで思わず思い出し笑いをしてしまう
流石の貫禄
そもそもマッカッサーそっくりにするなら高いギャラを払ってトミーを抜擢する必要はない
宇宙人ジョーンズとして2006年からボスのCMに出演し今もなお続けすっかり親しまれているトミーだからこそ軍服を来てそのままマッカーサーとして佇めば良い
ちなみに92年に発売された缶コーヒーのボスで最初に起用されたのは矢沢永吉でありその後は浜崎あゆみでなんやかんやでトミーが起用され今に至っている
矢沢永吉と浜崎あゆみとなるとあのモノマネ夫婦を思い出すが実際に本物がコラボしたことがあるのだろうか
浜崎あゆみが司会の番組でゲストに出たかな
ボナー・フェラーズ
なんて卑猥な名前なんだ
プロ野球の助っ人外国人選手なら登録名は「ボニー」になっていることだろう
だが実在した人物
多少創作が入り美化されてるかもしれない
本作では描かれていないが総司令部配属前に北アフリカで大失態を犯しているらしい
「報復と正義は違う」
自分も含め多くの日本国民に脳味噌に叩き込み一つ一つの細胞に刷り込まなければいけない名言
特にヤフコメ民やX民は特に
日本人はアメリカ人と違い「白黒はっきりつけない」民族らしい
たしかにリアルだとそうかもしれない
だがネットはその場の流れで少なくとも表向きは右左極端な論調になるが管理する側に重大な問題点があるのも要因の一つ
日本の芸能人もなぜかXを通じて政治的発言する者が後を断たないがハリウッドのセレブと違い支持政党をはっきりと明らかにする人物は皆無に等しく自民党や政府の批判をすれば仕事した気でいる
マスコミや知識人やそれに同調する一部ネット民は芸能人の政治発言を擁護するがそれなのに国会議員になるとタレントというだけで無条件に批判する矛盾の国日本
僕は日本に生まれ育ち半世紀近いが彼らを理解することはできない
外国人なら尚更理解できないだろう
日本の軍人を狂信的だと評したアメリカ軍人が出ていたが違和感はあった
皇室制度廃止論に反対する立場ではないが天皇陛下の扱いはその後の日本を思えばあれで正解
そのせいでマッカーサーは大統領になれなかったかもしれないがあの当時の日本での功績を思えばある意味においてどの歴代大統領より偉大かもしれない
配役
マッカーサーに仕え対日心理戦を担当したGHQ将校で行方知れずの恋人の島田あやに会いたいボナー・フェラーズにマシュー・フォックス
GHQ司令官のダグラス・マッカーサーにトミー・リー・ジョーンズ
ボナーが大学時代にアメリカで出会った恋人で何も告げずに突然帰国してしまう島田あやに初音映莉子
あやのおじの鹿島に西田敏行
鹿島夫人に桃井かおり
フェラーズの通訳の高橋に羽田昌義
天皇陛下に片岡孝太郎
内務大臣の木戸幸一に伊武雅刀
枢密院顧問官の関屋貞三郎に夏八木勲
アメリカとの戦争を避けたかったが軍部の反発で叶わず開戦前に39代内閣総理大臣を辞職した公爵の近衛文麿に中村雅俊
アメリカとの戦争を始めた40代内閣総理大臣兼陸軍大将の東条英機に火野正平
GHQ将校のリクターにコリン・モイ
戦争責任について考える
毎年、終戦記念日近くになると、きちんと黙祷をする代わりに、戦争映画を見て、自分なりに思いを深めています。
ハリウッド作。GHQによって統治下に置かれた太平洋戦争直後の日本。マッカーサーの副官ボナー・フェラーズが日本の戦争責任者について調査を命じられる。天皇の訴追の回避に向けて、東奔西走するフェラーズを通して、日本独特の精神や天皇についてのデリケートな部分が描かれています。
米国では、あまり評価が良くなかったような話を聞きましたが、日本人としては、なかなか、見応えのある映画でした。サスペンスフルでなく、アクションもないので、戦争映画と意気込んで見ると退屈する人もいるかもしれませんが。
天皇陛下が顔を出すのは、ラストの数分ですが、ちょっと鳥肌立っちゃいました。マッカーサーは物分かりのいい人だったのか?、本当は分かりませんが、トミー・リー・ジョーンズもよかったです。
宮内次官の関家貞三郎の夏八木勲が、陛下が御前会議で詠まれたという歌をフェラーズに聞かせるシーンが印象的で心に響きました。
映画は2013年作ですが、同じような時期(2012)に作られた「NHKスペシャル 終戦 なぜ早く決められなかったのか」を少し前に見ましたので、終戦当時の理解が深まりました。
3.0
見やすい映画。個人的に一番愛着が持てるマッカーサーだった。
特別際立ったところはないが、若干日本人女性とのロマンスは不要だなと思った自分がいる。全体的に調査部分のインタビューや日本人役者がいい味を出していたと思う。主人公は微妙でしたね。鑑賞後、これ欧米ではヒットしなそうな感じだろうなと思ったが、やはりという感じ。日本での最終興収は12.1億円。
見ていて日本の曖昧さ、不明確さというものや天皇について少し考えるきっかけにもなったように思う。武士道精神や忠臣的なものも礼儀も伝統もなくなってしまったかのように感じるが、日本の曖昧さは姿かたちを変えてまだあるようにも感じる。
それは働き方、人間付き合い、ヒットしているコンテンツやガラパゴスなサービス、UI、飲食店に散見されるように思う。
歴史は一つではない。そう確信させる良作。
歴史は一つではないということを、日本に代わって外国人に対して宣伝してくれている貴重な映画です。
天皇は有罪か無罪か、それを「目先の日本統治」のため、という近視眼的なところから求めたマッカーサー。
しかし天皇はそのマッカーサーすらも感服させた、という、日本人なら当然誰でも知っている話を敷衍するストーリーなので、安心してみてられます。
この映画は、セットも凄いし、(もちろんそれは一部だけでCGで補っているはずですが)、キャスティングも良く、たとえば中村雅俊の近衛文麿なんて、へぇこんな演技もできるんだ、と感心させられました。
そういうわけで、日本人としては、世界中で大ヒットを期待したいところですが、外人の視線から観たならば、面白いのだろうか、と、ふと思わされたのでした。
フィクションとしては良いけれど・・
【マッカーサーをトミー・リー・ジョーンズが演じたハリウッド主導の第二次世界大戦直後の日本及び天皇の姿を描いた作品】
-今作の企画は、”ラスト・サムライ”などを担当した、日本人プロデューサー、奈良橋陽子さん。ー
終戦後、マッカーサーはボナー・フェラーズ准将(マシュー・フォックス)に天皇(片岡孝太郎)の戦争責任を探るミッションを命じる。
ボナー・フェラーズ准将には大学生時代、恋仲になったアヤ(初音映莉子)という女性がいたが、彼女は父の危篤のため帰国していた・・。
<当時驚いた事>
・昭和天皇が、生身の人間として劇中描かれていた事。演じた片岡孝太郎さんのプレッシャーや如何に・・。
・東条英機を演じた火野正平さんの佇まい。
今や、自転車で全国を巡る番組で大人気だが(その映像の中での火野さんの飾らない人柄が好きである。大大先輩であるが、実に良い男であると思う・・。)、今作では大戦犯をきっちりと演じている。流石である。
(すいません、劇場でかかった映画で拝見したのは今作が初めてである・・。)
そして、天皇が当時では考えられなかった、マッカーサーとのツーショットに臨む場面及び語った”戦争の全責任は自分にある。日本国民には罪はない”という言葉。
宮城事件なども盛り込みながら、終戦期の日本と米国の鬩ぎ合いを描き出しだした作品。
<只、当時の米国では”日本の戦争責任を描いておらず、美化した作品として受け入れられなかった作品。
救いは、日本では米国の4倍近い興行収入となった点である。
日米の彼の対戦に対する見方はまだまだ大きな隔たりがあると感じた作品でもある。>
<2013年8月3日 劇場にて鑑賞>
マッカーサーが良い個性をしている
ドキュメントベース+ロマンス
基本は、日本が降伏してから陛下の処遇を決定していくまでに何があったのかを描いているが、それだけではただのドキュメントになってしまうので、フェラーズ准将の訪日記録や頻繁に外出していた記録から、好きな人を探していたのではという仮説を加えて映画に仕立てている。
本作の中では、陛下を無罪にしようという根拠として終戦を決めた御前会議から一部陸軍の反乱などが挙げられているが、これは戦後20年ぐらいして毎日の記者が関係者に取材してまとめた「日本のいちばん長い日」があり映画化もされている。あわせて鑑賞するのをおすすめする。
マッカーサーについて色々悪口を言う人もいるが、やはり日本の国体を維持する道筋をつけてくれた事に感謝したい。
史実にロマンスを絡めた映画
史実だけではドキュメンタリー映画になるので、フィクションのロマンスを絡めた感じ。日本人としては余りにも大きな出来事。GHQのマッカーサーが昭和天皇と会談して一緒に写真撮影した史実を映画にしたもの。この史実をどう思うのかは人それぞれかな・・日本において終戦は玉音放送が流れた8月15日だが、世界的にはアメリカ戦艦ミズーリの甲板上で降伏文書にサインした9月2日だ。マッカーサーが日本に降り立って、ミズーリの上で立ち会うまでの日々は歴史的に見ても大きい。映画ではその辺りを描いている。現在の日米関係をみると昭和天皇の戦争責任を問わなかったアメリカは先見性があった。日本は滅びず、見事に戦後復興をして国家として繁栄した。天皇は現人神(あらひとがみ)から象徴天皇となったが、現在の日本人でそれに疑問を持つ人はいない・・2013年のアメリカ作品。
「終戦のエンペラー」を観て・・
全50件中、1~20件目を表示












