「“続く”の魔力に魅せられます」危険なプロット ルナルナさんの映画レビュー(感想・評価)
“続く”の魔力に魅せられます
常々より、映画はの良し悪しを決めるのは、シナリオ、演出、そして役者の順だと思っているが、久々に三拍子揃った秀作だと思う。
舞台はフランスの高校。元、作家志望の高校教師が、添削中の作文の一つに心惹かれる。その文章のラストは、“続く”。彼に文才を感じた主人公ジェルマンは、特別授業と銘打って物語の続きを求めていくが、いつしか主従の立場が逆転してゆくという心理サスペンス。
クロードが華奢な肢体に制服を身に付けてゆく冒頭シーン。制服という呪縛と、未成熟な少年の危うさを暗示させる絶妙な始まりだ。さらに、クロードの人格を深く描かないことで、あくまで主人公の好奇心の目(フィルター)とし、ひいては、私たち観客も同じ視点へぐいぐいとはまり込ませる巧みさ。ラストの結末まで一気に引き込まれる。
クロード役のエルストンの控え目でいて、存在感ある演技、その目力。今後が楽しみです!
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