「最後がグッときた」わたしはロランス SHさんの映画レビュー(感想・評価)
最後がグッときた
長い映画で、構成も複雑でありながら、見事なまでにまとめ上げている。
かなり自由に、あらゆるイメージ映像が差し込まれているにも関わらず、妙な統一感があるのは、不思議というか、制作者側の技量というのか─。
とにかくグザヴィエ・ドランが想像したことを、純粋に表現しているだけの作品ではなかろうか。性に対する感覚が超越していて、“普通”とは違った性というものはドランにとってもはや対した問題ではなく、“普通”とは違っていることを当然のごとく物語の中に自然に織り込み、決して社会派的な映画になることなく、あくまでもピュアな恋愛映画として描ききっているところに非凡なるものを感じる。
発想をここまで自由に表現しつつ、なおかつ人の心を揺さぶるわけだから、ドランの評価が高いのも頷ける。
これからも彼に注目していきたい。
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