イノセント・ガーデンのレビュー・感想・評価
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緊張感のある演出
撮影や編集、演出が徹底した美意識に基づいて作られていることが感じられ、本来そういった趣味ではではないのだが、すばらしく高級なものを見ている感じがして気持ちがよかった。
主人公のインディアがすごく変わり者であり、その孤独さに共感を抱いてみていたのだが、最終的に狂人だったことが判明して残念だった。お母さんがとにかく嫌な人で、大丈夫かよと思っていたのだが、そうなると唯一まともな人間らしかったお父さんも怪しくなってくる。
途中まですごく面白かったのに、おじさんが精神病院出たてのキチガイだったことが分かってかなりがっかりした。そんな人物があんなにスマートに振る舞えるとは思えず、リアルじゃないと思った。もうちょっといいアイディアはなかったのだろうか。
冒頭で「自分で選ぶことをやめると生きるのが楽になる」というようなとてもいい事をモノローグで語っていて、それに対して選ぶことをやめることができないお母さん、彼女は女であることを持て余し、押しつぶされそうになっている感じすらする生々しい女だった。そんな図式がとてもよかった。
主人公がお父さんを亡くして悲しみをこらえていると思っていたら実はあんまりそいった人間味のない人物だったのかよく分からなくなってしまった。ヤンキーの同級生が殺されて動揺したり怯えているのかと思ったら、そういうのがないまぜになっていたのかもしれないけど、性的に興奮していたのも驚いた。
結末で、インディアは嬉々として警官を殺す。異常者としてそうせざるを得ない苦しみや悲しみなど全くないようで、すがすがしくはあるのだが、異常者としての慎みを持ってほしかった。
ちょっと残念なところはあったのだが、最後まで緊張感がとぎれず面白かった。ニコールと娘は全く血のつながりがありそうには見えなかった。
五感を刺激される作品
ストーリー運びの巧みさもさることながら、主人公の聴覚や触覚などが画面から伝わってくるような繊細な描写が見事。中盤以降はどこまでが現実でどこからがメタファーなのか曖昧になってきていろいろな想像の余地を残す。
官能サイコ。
ひたすら気味の悪い話を美しい俳優が艶かしく演じることで
サイコな見せ場に官能美すら漂わせてしまっている異色作。
あの復讐三部作のパク・チャヌク監督、ハリウッドへ行っても
変わらず自分の世界観にこだわり、貫いているところはさすが。
しかしタイトル(原題)を普通に日本人が読んでしまうと、つい
名字(ストーカー家)ではなくて、つきまとう方を浮かべちゃう。
で、それがあとで意味が繋がることに感心したりして。
まぁ邦題は邦題で、これにも意味があるので…いいんですが。
しかし美しい主役の御三方。
M・ワシコウスカって、ゴメンなさい、初めて見た時からこの子は
腹に一物抱えているような、ちょっとそんな雰囲気を感じていて
先日観た「アルバート氏の人生」で、あ~やっぱりこっちが似合う
なんて思ってしまったクチ。なので今回の役もよく似合っている。
どう見ても清純・可憐なイメージは私にはない。
ある意味子供の頃からちょっと違う、気味の悪さを抱えており、
単に美しいだけのおバカさんな母親(ゴメンなさい、ニコール)
とは全く違うベクトルで生きている。
で、その母親は美しい美しいN・キッドマン。彼女の口癖が、
どうして分かりあえないの!なんだけど、余りに違いすぎるのよ。
ある意味エキセントリックな性格のお母さん、突然現れた叔父に
クラクラきちゃうのも実にあり得そう。叔父が御執心なのは、
性格の合わない娘の方だと知った時の、あの絶望に満ちた
顔のドアップ!が、また美しいこと!どうしましょうね~ホント。
そして謎の鍵を握る叔父、M・グード。これもイケメンだなぁ。
いつ瞬きしてるんだ?と思わせるほどの瞳とその眼差しの行方。
あまりに開きっぱなしで(今作では)ちょっと気味悪いんだけど。
どんなにサイコなストーリーも、
彼らが演じるだけで格調高く仕上がっているのが頼もしく、
その殺人場面や、二人で連弾場面も、やたら官能的でエロい。
内面から絞り出そうとするその色気の使い方がホントに巧み。
もっと謎が多い話なのかと思いきや、
過去の名作や名監督へのオマージュ?も感じられる分かり易さ。
次にどうなるかもだいたい観てとれるし、おそらく観客が待って
いるのはそっちじゃなくてこっちだよね!?をお見通しの演出。
主人公インディアの本性が露呈されて以降は、
さぁどうやって隠そうか、逃げようか、戦おうかという三狂気。
冒頭の場面と、彼女の変な動きが重なった時、うわぁ~!って
嬉しくなるか、気持ち悪くなるか、どっちになりましたかね…^^;
そもそもストーカー家の血筋を分かっていたお父さん。
なんで娘に狩猟の方法をしっかり教えこんだりしたんだろうか。
(やれ!って言ってるようなもんだよね。才を磨いてどうする)
奥さんには弟のことはまったく話してなかったってこと?
病院施設をなんで退院させたの?どう見ても危ないだろーが。
…と、D・マローニーを質問攻めにしたくなる鑑賞後ですが、
いかんせん、血筋っていうのは…やはりあるものなんでしょうか。
怖い、怖すぎる~。考えたくない~。
(つい親戚筋の顔ぶれを浮かべてしまいました。似てません!?)
無垢な少女が染まったものとは?
異常なほど研ぎ澄まされた感覚を持つ少女が、自身に流れる血に目覚めていくようすを、そのおぞましさとは真逆の美しい映像で紐解いていく。
冒頭の「花は自由に色を選べない」という語りの意味がラストで明らかになる。はたして、白(無垢)だった花(少女)が染まったものとは?
自身の変化に恐怖と陶酔を覚える少女インディアをミア・ワシコウスカが見事に演じる。彼女はいずれアカデミー賞を獲るだろうと「アリス・イン・ワンダーランド」を観たときからずっと言い続けている。
突然現れる謎の叔父チャーリーにはマシュー・グード。その端正なマスクの下に隠された狂気の暴走は、「サイコ」のアンソニー・パーキンスを想起させる。
インディアと打ち解けない母親エヴィを演じるニコール・キッドマンは、どちらかというとゲスト出演的な位置づけだ。とくにどうということはない演技で乗り切る。
元夫のトム・クルーズが主演する「オブリビオン」が同じ日に公開されたが、図らずも67年のヒットナンバー(曲は違う)が両方に使わているのが面白い。
本作ではナンシー・シナトラ&リー・ヘイズルウッドの「サマー・ワイン」が、チャーリーが仕掛けた罠とも知らず、ワインに身を任せて踊るエヴィを嘲笑うかのように鳴り響く。
予告篇を見て吸血鬼に目覚める話かと思っていたが違っていた。もっと現実的で怖い話だ。
亡き父の思い出に浸る靴の羅列や、庭に点在する丸い巨石などアート的な描写が多いが、構図としては平凡。
サイコ映画じゃん!
全然予備知識なくみたら…サイコ映画でした。
美しく描いてるけどエグさにかわりなし。
前半少々眠りが入りました…。
登場人物たちの心象変化たどっていくと、こんなペースで描くべきなのかもしれないけど、抑揚なさすぎたかな〜。
マシューさんのハンサムなのに淡々とした演技はずっしり重みありましたね。
遺伝子は引き継がれるから大変ってこと?
後半は眠気なく面白かったです。
見たことのないラブシーン。
初めから、この映画は何か特別だと思わせる小細工に満ちていた。たとえば、主人公(ミア・ワシコウスカ)の動きに合わせて止まったり消えたりする、冒頭のクレジット(キャストの名前)。背景と一体になり、非常に面白い。そして、最後のクレジットが、下からではなく画面の上から降りてくるという何とも言えない小細工に、つい微笑んでしまう。
必見シーンは、チャーリーとインディアの連弾のシーン。互いにほとんど触れることなくここまで官能的で、刺激的なラブシーンが演出されていることに感動。
ニコールキッドマンの演技が素晴らしい。
もちろん、マシュー・グード、ワシコウスカも◎
監督の撮影技法、細かい演出は素晴らしく、何度も見たくなる。
最後は少し納得いかないけど、いろんな選択肢が後から想像できるので、まあこれもよしかなと思う。
・・・ん?
ストーカー家、チャーリーは幼くして実の弟を殺して精神病院へ。
彼は退院と同時にさらに実の兄も殺してしまう。
その殺された兄の娘、めいのインディアは、
おじとの出会いで、彼をも凌駕するマジキチに覚醒していく・・・。
おおまかなストーリーはこんなところでしょうか。
チャーリーはインディアの素質?遺伝?みたいなものを
最初から知っていたかのようでしたが、
一度見で納得できるような話の展開や描写がこの作品には
足りなかったような気がします。
約100分の作品では、観る人の想像力の如何で評価わかれてしまいます。
連続ドラマだったら内容も膨らみ、もっと面白くなったのではと思いました。
原題「Stoker(ストーカー)」、邦題は「イノセント・ガーデン」。
原題まんまの日本語だと作品内容とかけ離れてしまうので、
あの屋敷の・・・には無数の・・・があるから、なのでしょうか。
これには納得しましたが・・・
結局なんだったんだろう?
映像の質感やシークエンスは好きだけど
どうもストーリーに脈絡がないと言うか
主人公の叔父に対する
気持ちの変化が
どうにも理解が出来なかったです
脚本が絶賛されてたらしいけど
期待はずれでした
単に私の感性が鈍いだけですが
一番乗り!
まさに鬼才という感じの監督だ。陰影のあるカメラワークが良い。三男を生き埋めにして殺し、病院送りとなった次男チャーリーは、長男の娘インディアの18歳の誕生日に退院。長男に受け入れてもらえなかったことから、長男を殺害。その後も親族や学友が次々と殺されていく。ニコールキッドマン演じるインディアの母が殺される寸前、インディアはチャーリーを射殺。インディアにはチャーリーと同じ血が流れているのだった。
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