言の葉の庭のレビュー・感想・評価
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生涯ベスト10候補に入れたい作品かも
大ヒット映画「君の名は。」を劇場で鑑賞した。
風景描写がアニメーションなのに
リアルに感じて、凄い。
新海誠監督の過去、どんな作品を
作っているのだろう・・・と
探して「秒速5センチメートル」、
「言の葉の庭」を観賞しました。
ジブリっぽい作品もありましたが、
現代劇を見たかったので、
この2本を選択。
「秒速5センチメートル」は、
初恋が思い出に変わるとき・・・
という感じかな。この作品、
昔の恋愛を思い出してしまって
心苦しくなった(笑)
今回レビューする本作品は、
生涯大切にしたい作品のひとつかもしれません。
生涯ベスト10に加えてもいいかも・・・
1週間に5回も見てしまうぐらい気に入りました。
いつもながらのめり込んでしまった(笑)
「君の名は。」の風景描写に驚き、
本作品を観賞しましたが・・・
さらに驚愕の映像美に・・・
これ、本当にアニメなの!?
水面の波紋、地面に溜まった水たまり、
窓ガラスに滴る雫・・・
今まで見たアニメーションの映像美No.1は・・・
と聞かれたらこの作品かもしれません。
孝雄(入野自由)は独学で勉強して靴の職人を
目指してる。
周囲は現実的に無理って空気があるけど、
夢に向ってまい進している若者。
27歳と15歳-
歳の差の離れたふたり、雨が降り続く公園で
偶然の出会い-
昼間からビールとチョコレートを
食す雪野(花澤香菜)の姿って
インパクトありますね。
見知らない人だけど、気になる存在-
二人はこの出会いが初めてではなくて、
彼女のほうは分かっていて・・・
これがラストの感動的なシーンにつながってます。
何故、彼女が自分の素姓を明かさないのか・・・
46分という短さなので、台詞だけでなく
台詞がないシーンでも
二人の心情が手にとるように分かるような
演出がされていました。
少しずつ、距離感が近くなっている感じでしょうか。
雪野は、ある出来事により前を向いて
歩くことが出来なくなった。
元彼との電話のやり取り・・・
本心を打ち明けることなく、嘘で固めてしまう。
心のよりどころがなく、たった一人で自分の世界に
閉じこもっている。
雨の日を期待して、出会いを重ねる二人-
二人で過ごすこの時間、ひとときが
生まれて初めての至福の時間幸せを感じる。 そして、遂に孝雄の告白-
この後の雪野の言葉がショックでした。
あっ、完全に物語に入りこんでるというか
孝雄に完全に同化していたのかも・・・
ラスト雨が吹き荒れ、マンションの階段、
踊り場での二人のやり取り-一瞬、
孝雄の独りよがりじゃないかと
思いましたが。
でも、本心を包み隠さず相手にぶつけるなんて
なかなか出来ない事で、
自分を取り巻く世界は他人で、
自分の領域を犯されたくないし、
相手の領域に無理して
踏み込みたくないし・・・
でも、そうしないとお互いの事が分からない・・・
何年経過しても、表面的な人間関係って
あるかもしれない。
この二人の最後のやり取りは羨ましくもあり、
今回もすぐ泣いちゃう私は、号泣しちゃうわけで。
あ~憧れるな~、こんな恋愛に・・・
こんなにも感情を揺さぶられる作品に
出会えて幸せでした。
あっ、キャッチコピーの「孤悲(こい)」ですが
一人寂しく、悲しく、相手を想う恋だそうです。
成就しない恋、切ないなぁ~
でも、二人がこの出会いをきっかけにまた前を向いて
歩いていく姿は素敵ですよ~
雨の日に思わず、鑑賞したくなる作品ですね。
あっ、ちなみに「君の名は。」に
本作品のヒロイン雪野が登場しています。
すぐに分かると思いますので、
ご確認くださいませ・・・
これネタバレかな笑
この物語の後日談を、
「君の名は。」で描くとは・・・笑
新海誠の作品はこれが至高。(追記あり)
長編作品でないにも関わらず、長編並みの満足感。秦基博(&大江千里)の歌が彩る鮮烈なクライマックスが胸に突き刺さる。この作品以降のメジャーになった作品より、私はこれを推します。新海誠は、元々作家性が強く、ある意味でアクの強い作品を放ってきた(正直、観ていてうんざりする作品もあります)。これはまさにその極めつけの結晶と思います。
『君の名は。』でメジャーになった今こそ、もっとわがままに、自分が作りたいものを作っていただきたい。受けを狙う必要はないです。
(2024.9.27追記)
『天気の子』までは上記のような感想で揺るぎなかった。だが、『すずめの戸締まり』を観るに至っては、相当に感情を掻き乱されたが故に、新海誠は「大衆向けに作ること」と「わがままを通すこと」の間でバランスが取れるようになってきたとの印象を持った。良い傾向だ。
圧巻の映像美と短編ながらも引き込まれるストーリー
”たった45分”で極上の映像体験してみたくないですか?
この問いにYESと答えた人なら間違いなく視聴後に大大大満足していることでしょう。
そのぐらいこの作品には映像作品としての美しさとエンタメ性それぞれの魅力がぎゅっと詰まっているんです。
ネタバレしない程度に述べると、やはり特筆すべきは雨の表現。
アニメ作品を普段見る方なら容易に想像がつくと思いますが、アニメーションで雨を表現しようとすると、”なにやら黒い線が空から降ってくる”的な表現になってしまうことが多いんですよね。
しかしこの作品の表現の仕方は一線を越えています。
”雨”というカタマリで表現するのではなく、”雨粒”という最小単位で表現しているんですね。
”雨粒”が空から降ってきて...地面に落ちやがて水たまりになっていく...”
そんないかにも手間暇のかかりそうな描写をこの作品のあちらこちらで退官することが出来るんです。
ストーリーに関しても、良くまとまっていると思います。
ジャンルとしては、恋愛という区分になると思うのですがわたくしの体感としては
「”君の名は”よりは苦く、”秒速5センチメートル”よりは甘い」
という感じがしました。
この作品としての特徴はやはり、主人公の独白<モノローグ>で展開しているということがあげられますね。
モノローグに合わせて場面もパッパッと移り変わっていくので、なんだか詩的な短編小説を読んでいる気分にさせてくれますね。
長々と語ってきましたが、圧巻の映像美に惹かれ気づいたら登場人物に感情移入してしまうとんでもない作品だと私は思いますので、見ていない方はぜひご視聴をお勧めします。
ここまで読んでくださった方ならきっと楽しい時間を過ごすことが出来ると思いますよ~
映像美と音楽とストーリーの親和性が神
雨をモチーフにした作品だけあって、光や自然を交えて本当に美しい作品となっている。
駅の雑踏や改札の音、ホームの人混み。いつも煩わしいのに美しく見える。
水と光でここまで美しくできるのは新海誠だけ。
そして音楽もピアノメインの曲が心情や景色に色付けをしている。
雨の音も駅のアナウンスの声もすべてが音楽のように、その景色を支えてる。
高校生の主人公や謎の女性にもそれぞれ夢や過去、現実があって、そこからどう進んでいくのか葛藤があって…人物がとても魅力的で引き込まれる。この映画は独特で言い表せないほどの魅力がある。
映画自体40分なのに満足感がすごい
小説版では本筋に加えてほかの登場人物の過去も語られる。本編を見た方は小説も見てほしい。
ワタシは27歳だけど、心の成長が15歳のまま、止まってる・・・
2013年。監督・原作・脚本・絵コンテ・演出・撮影監督・編集。
全て新海誠。46分。
タカオとユキノが語り合う雨の公園の東屋。
新宿御苑がモデルだという。
新緑の葉の濡れた樹木が信じられないくらいに美しい。
雨の朝は途中下車して学校をサボるタカオ。
会社(?)へ行けなくて、途中下車して東屋で缶ビールを飲んでいるユキノ。
タカオもユキノもまるで行きずり。
名前さえ知らない。
雨の朝には公園のベンチでふたりは、ひとときを過ごす。
缶ビールを朝から飲み干し、ツマミはチョコレート。
ユキノのちょっと壊れたところが、とても新鮮だしインパクトがある。
(しょせん人間なんて、どっかちょっとずつ、おかしいんだから・・・)
と、ユキノが言う。
地下鉄の構内や駅周辺(新宿?)の都市景観はまるで実写のようだ。
15歳のタカオは大人びている。
15歳で心の成長の止まってるユキノよりずっと大人だ。
靴職人を目指しているタカオは、真っ直ぐでブレない。
心の傷を抱えるユキノは、雨の中、ダンボールに入れて捨てられた野良猫みたい。
15歳の高校1年男子。
27歳で訳あり孤独な女性。
ふたりの邂逅が奇跡のよう。
映像の美しさ。
流れるピアノのBGM。
そしてストーリーテリングの巧さに舌を巻きます。
ユキノがマンション階段で、泣き崩れてタカオにすがりつくシーン。
ユキノの感情が爆発して迸る強さに圧倒されます。
(ユキノが心の硬い殻を破った瞬間!!)
音楽に物語を委ねて手助けをさせる新海誠監督の手法。
もう確立してたのですね、ずうっと前から!!
とても胸打つ映像・映画でした。
過去鑑賞
舞台となった雨の日の新宿御苑の見事な美しさ
繋がるのか終わるのか☆
短いお話でした。実は先生と生徒で、想いあってるけど、先生は明日引っ越して行く…。
青春の1ページな感じ。大きくなって会いに行ったら、また繋がるならいいなぁ。
逢瀬
二人の吐息が感じられるよう
2013年5月劇場鑑賞
私は何だかんだと新海作品が好きで、新作が発表されてからずっと楽しみにしていました。
新海作品はその美しい風景描写で有名ですが、「言の葉」も期待を上回る絵を見せてくれます。本当に美しいんですね。
もともと光りの使い方がうまい人なのですが、今作は更に雨や波紋や水面など「水」の演出もとても印象に残りました。
あといつもの電車の描写。 踏切や改札やホーム、車内やそこから見る外の景色、大好きなんですよね。
これはあくまで個人的な感想なのですが、その時一番美しいアニメーションは「雲のむこう」以降、常に新海監督の新作だと私は思っています。 単純に好みの問題かも知れませんが、自分にはすごく響くんですよね。
今回は今迄と若干スタッフが入れ替わっていて、中でもずっと一緒だった天門さんが外れていたのには驚きました。
正直、音楽が天門じゃない新海作品には不安があり、とても残念でもありました。
それは他の方達も同様だったようで多くの問い合わせがあったのでしょう、後日オフィシャルHPで経緯説明があった位です。
そんな心持ちだったのですが、実際に耳にするととても気持ちの良い音楽で、作品にとてもフィットしていました。
メロディーが残るというより、それぞれの心情やシュチュエーションにうまく絡むような音でしたね。
物語は雨宿りから始まる恋の話で、50分弱とやや短めなのですがそんな事を感じさせない密度がありました。
切なくも前向きになれる、二人の吐息が感じられるような話です。
音楽や主題歌の入れ方もとてもうまく、何よりシナリオや演出に今までにない変化が見られ、新海作品として一歩前に進んだような感じでした。
私は雨の日は家の中で雨音を聞いてるのが好きで、外にはあまり出たく無いんです。
でもこの映画を観た後、何だか雨の日に出掛けたくなりました。
そんな、とても素敵な作品です。
絵が綺麗
【”雨の日だけに四阿で会う貴方を想って・・”碧、緑、翠の色彩の鮮やかさ、驟雨、雷雨の描写も含めた自然描写の美しさとともに、作品構成の妙に魅入られた作品。】
ー 雷神の 少し響みて さし曇り 雨もふらぬか 君を留めむ ー
・ユキノは高校生のタカオと雨降る公園の、四阿で会った際にこの和歌を残して去る。
・タカオは雨の日には、一時限目をさぼり、この四阿で靴のデッサンをしていた・・。
・ユキノは、四阿で、チョコレートとビールを飲む。
―この不思議な取り合わせの哀しき理由は、劇中語られる。-
・二人は徐々に言葉を交わすようになり、タカオはユキノを”知らない年上の女性と思い”自分の秘めたる夢を語る・・。
◆梅雨が明け、二人は暫く出会わなくなる・・。
・そして、徐々にユキノがなぜ、雨の日に四阿に足を運んでいたのかが明かされる・・。
<返歌>
ー 雷神の 少し響みて ふらずとも 吾は留らむ 妹し留めば -
<新海誠監督の描く、自然描写に磨きがかかり、和歌を物語と絶妙に絡ませた物語構成にも驚いた作品。
今作から、本格的に新海監督の快進撃が始まった事は、万民が知る所である。>
<2016年 DVDにて鑑賞>
<2020年10月11日 別媒体にて再鑑賞>
監督の趣味が炸裂(笑)
映画館では初めて。
冒頭「実写か?」と!
自宅では見たことがあったのですが、スクリーンサイズでのあの絵のクオリティに絶句!
新海誠の本気、ここにあり。
後のメガヒット「君の名は。」や「天気の子」より前、この時点で映像美としての到達点があったように思います。
新海監督の趣味が垣間見える場面があります。それは主人公のタカオが、ヒロインのユキノに額付くようにしてその裸足を愛でるシーン。
この映画は、結局コレがやりたかったのではなかったのか!…と(笑)。
あと音楽も趣味全開。歌詞をなぞるようなクライマックスのシーンでした。このシーンも曲ありきですよね~。
クリエイターの創作のヒントって、こういう風なのかな?と。少し頭の中を覗けた気がしました。
タカオくんとユキノちゃんが、お互いに人間としての殻を破り捨てる、あの階段でのクライマックスのシーンは、曲「Rain」とともに心に刺さりました。
ところで新海監督作には、印象的な階段のシーンが多いですよね~。
「君の名は。」ラストでの二人の邂逅。
「天気の子」帆高の非常階段ダッシュ。
古今東西の名作にも、名だたる階段シーンがありますが、それを意識されているのかも知れません。
あと、個人的な話。
新宿御苑での年上女性とのデートだったり、その女性が好きだった曲「Rain」だったりと…
僕の若かりし頃の思い出をトレースしてくれる、特別な作品です。
新海誠の真骨頂
そりゃ、雪野さん可愛いもん
新海誠監督作鑑賞2作目。
新宿御苑で雨宿りをする靴職人になりたい少年と職場へ行けない女性の話。
雨が降る東京だの、世界の秘密だの、階段だの、なんだか天気の子みたいだなぁと思いました。
(天気の子は未鑑賞です。)
いや、こういうの本当に好きです。
とても良かった。
これはネタバレ無しで観た方が個人的には面白いと思うので、あまり言いませんが、雨を通しての2人がとても人間的でリアルでした。
青春だからこその悩みだったり、その仕事だからこその苦しみだったり、挫折しながらも立ち向かう様子から、人間の美しさが感じられました。
相変わらず映像や音楽も作品にあっていて、綺麗でした。
時間も45分程度と短めなので気軽に観やすいです。
雨の日に観たくなる映画
今日みたいな雨の日は、言の葉の庭が観たくなる。
雨の滴がキラキラと水面を輝かせる。
傘に当たる雨音が、雨のリズムを軽やかに刻んでくれる。
雨の描写がとても上手い新海監督。
この映画のおかげで、梅雨の憂鬱な気分が楽しいものに変わりました。
明日雨だったら、いつもと変わった景色が見られるかもしれない。
そして、雨の日にしか出会えない特別な出会いが隠れているかもしれない。
歳の差の2人の本音のぶつかり合いが、雨のしぶきと重なって、とても幻想的なラスト。
これからの2人の未来に幸あれと祈りたくなります。
何気ない、景色や季節の変化を描くのとても上手い監督。
言の葉の庭は、秒速5センチメートルに続く大好きな作品の1つです(^^)
よかった
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