「私達が死んでから新しい時代が始まる」ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮 talismanさんの映画レビュー(感想・評価)
私達が死んでから新しい時代が始まる
マッツ映画の大きな特徴の一つは、共演する俳優の素晴らしさが抜群に表現されることだと思う。この映画では、言うまでもなくカロリーネ役のアリシア・ビカンダーの美しさと知性を中心に、芸術と啓蒙思想への共感、乗馬やダンスを楽しむ軽やかさが遺憾なく発揮されていた。「リリーのすべて」でも伺われた強さがこの映画でも見られた。そして夫であるデンマーク王クリスチャン演じるフォルスゴー、素晴らしかった。演劇、演じることが好きな彼の特性を見抜いたマッツ=ヨハンはクリスチャンとカロリーネに必要とされ、ある意味利用されて貴族中心、キリスト教中心の庶民農民が虐げられる社会を変えていった。
カロリーネがヨハンに言った言葉:私達が死ななければ新しい時代は来ない。これは現代にも通じるようでとても心に刺さった。マッツの演技は大袈裟でなくミニマムの表情と視線が静かに饒舌で熱く素敵でした。
「メン&チキン」でマッツ兄が愛する弟ガブリエル役のデビッド・デンシックが枢密院でマッツを陥れるとはーーーーー!地平線を見通せる景色、美しい緑、短い夏だからこその北欧の風景に目が喜んだ。
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