「恐怖、重量感、現場感。これが観たかった!!」GODZILLA ゴジラ TSY OS2.0さんの映画レビュー(感想・評価)
恐怖、重量感、現場感。これが観たかった!!
賛否両論で、評価が二分するのはもちろん観て分かりましたが、予想以上に「否」が多過ぎて残念です。
私としてはこの映画、5億点です (星一個につき1億点分の効力を発揮します)!
怪獣がこの世界に出て来たあの「現場感」は、パシフィックリムよりも遥かに上回っていると感じます。重低音が表現する重量感で、画面としての出番やサービスは少なくとも「ゴジラが来た」とひしひしと感じることが出来るはずです。
そしてついに画面としてゴジラが登場した時の威圧感、重量感は半端じゃないですし、人類全てに怒りをぶつけているような表情には心底痺れました。
1954年版の「初代ゴジラ」をビリビリと感じます (もちろん1954年に私は生まれていないため後追いで観ただけですが) 。スタッフ達のゴジラ愛が本当に伝わる作品でした。だからこそ、この日本での評価の低さは悲しいです。
少しゴジラ愛が強過ぎて情が移ったのか、ゴジラが悪役ではなく「守護神」というような位置づけになっていて、ガメラじゃん?ていう感じは確かにありました。そして最後にゴジラを見送る芹沢博士の表情、あれはどうみても "芹沢博士"ではなく、"ひとりのゴジラファンとしての渡辺謙" の顔でしたね(笑) ただしこの2点は、私としてはむしろ感動を呼び、欠点とは全くもって感じなかった要素であります。
大津波、原発の崩壊、メルトダウン。この描写がしっかりとされていたため本当に「恐怖」を感じます。ゴジラ=自然災害なのだとしっかり認識できるよう、描いてくれていました。
基本的には「初代ゴジラ」であり、それでいて「ゴジラ 対〜」「ゴジラ VS〜」の要素もしっかりと上手く物語に組み込まれていて良かったです。ゴジラが尻尾蹴り一発で黙らせる描写、口をおもむろに開いてそこに必殺技をぶちこむ原始的で凶暴な戦いっぷりには心底感動しましたし、劇中何度も声をあげそうになりました。
後半はきちんとゴジラの活躍が描かれていましたし、出番としては十分だと思います。中盤の「戦闘シーンかと思いきや場面が変わる」というのは、人によってはストレスに感じる展開だと思いますが、クライマックスで完全に拭えていたのではないでしょうか。
というより、この現場感や「ゴジラを目の当たりにした"世界"」の描写こそがまさしくゴジラ映画だと思います。少なくとも初代ゴジラを観て私が感じたことです。
正直、パシフィックリムがアメリカであまり当たらず日本で大ヒット、GODZILLAがアメリカで大ヒットして日本では賛否両論 (予想以上に"否"が多め)、というこの状況には落胆しています。