劇場公開日 2013年11月23日

「現代編とか古典の大胆な解釈とか」かぐや姫の物語 太郎之助さんの映画レビュー(感想・評価)

2.0現代編とか古典の大胆な解釈とか

2013年11月16日
PCから投稿

寝られる

勝手に期待をしている人は居ませんか?

それは、私です。(でした)

予告編を作ったのは、これも、鈴木Pなんでしょうか?
宮崎監督は、風立ちぬのキャッチコピー『生きねば』に対して
「俺、こんな事言ってないし、映画の中でも言ってない。それが、映画のタイトルより大きくクレジットされているのはどうなんだ(笑」
と言っていました。

本作品でも、『姫の犯した罪と罰』と言うのも、「言う程の罪と罰が、姫にあるの?」と言う感じでした。
大仰過ぎて、ミスリードし過ぎです。

かぐや姫役の方の演技も、そんなに嘆かなくても… と言うシーンでオーバーアクト気味に思い切り嘆くものだから
「この流れで、そんなに悲しむ展開になるの?」と違和感を感じずにはいられませんでした。

予告に使われている、かぐや姫の疾走シーンも夢か現実か判らない(たぶん夢)場面ですし、果たして効果的なのかどうなのか判りません。

文句しか書いてませんが、オカメ顔の世話役の女性だけは救いでした。
彼女がスクリーンに映っていると「どうにかならんのかこの映画」と言う感覚が、その時だけ無くなりましたから。

高畑勲、極めて優秀な方なのは、経歴で判るのですが、『山田くん』の監督だしなぁ。
そして、おそらく最後の作品になるであろう『かぐや姫の物語』。

死に水を取る気で観に行かれては如何でしょうか?

試写会で貰ったチラシに書いていましたが、この作品は、高畑監督が55年前に書かれたプロットで
かぐや姫が地上に落とされた理由との事ですが、この作品には、その前段がありません。
つまり、普通に観ると、私たちの知っている『竹取物語』をそんなに脚色もせずにオーソドックスに表現するだけです。
55年前の若かりし頃の企画が蘇ったワケですが

「そりゃボツになるだろ」

と言うのが素直な感想です。(絵も50年前の東映動画の絵に近いです)

星は、一つで良い感じがしますが、仕事とは言えスタッフがあまりにも気の毒なので二つです。
おつかれさまでした。

太郎之助