風立ちぬのレビュー・感想・評価
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ひたむきな愛の物語
堀辰雄ファンの私としては、思わずツボにはまった作品です。堀辰雄の作品を読んだことの無い方にとっては、なに? って、作品になったかもしれません。
堀越二郎の物語に仮託して、全編をを貫く感情・雰囲気は、堀辰雄の作品そのものでした。
「私たちには、もう時間が残されていないんだ」そう・・・、堀の文学の一番悲しいところ。そういった悲しみをみじんも見せず、「美しいところだけを切り取って」私たちに提示してくれるのが堀の文学でした。
一つ一つの場面が、決して堀の物語の焼き直しではなくて、監督のものになっていました。ぜんぜん嫌みでなくて、しっかりとご自分のものになっていました。ご自分の「悲しみの物語」になっていました。
この映画を御覧になって、つまらない・感動した・・、さまざまな感想をお持ちの方がいらっしゃるようです。もしまだ読んでいらっしゃらないようでしたら、これを機に「堀辰雄」の作品を是非お読みください。監督がこの作品を通して描きたかった事への理解が広がるかも知れません。
ちなみに、ジブリの作品ってそれほど見たことが有るわけじゃ無いんです。ファンの方すみません。
引導を渡す映画
これは宮崎駿に引導を渡す映画です。これまでアニメーションの第一線で活躍されてお疲れ様でした。今後は、息子さんや後身に道を譲られてアニメーション製作の第一線から引退され、好きなことをなさったらどうかと思います。
宮崎駿が作った数々の漫画映画、「長靴をはいた猫」から始まり、「未来少年コナン」、「アルプスの少女ハイジ」、「名探偵ホームズ」、「カリオストロの城」、「風の谷のナウシカ」、そして「天空の城ラピュタ」。どれもこれも子供の時に興奮し、大人になっても面白い一級品の漫画映画でした。
でも、「風立ちぬ」にはこれらのワクワクした面白さは全くありません。話のジャンルが違うから?いえいえ、往年の宮崎駿なら、悲しい話でも観客をワクワクさせたと思います。
私は「風立ちぬ」は自信を持って「駄作」だと言い切ります。業界関係者や大のジブリファンは言いたく無いし、認めたく無いのだと思いますが、宮崎駿は引退の時を迎えたのですよ。「崖の上のポニョ」の時点で既に引退時期は来ていたと思います。
それが今回の「風立ちぬ」でハッキリしたでしょう。これは宮崎駿という天才を卑下している訳ではありません。しかし、事実は事実、現実は現実として受け止めるべきです。
もう二度と、子供の頃に感じたあのワクワク感を味わうことができなくなるのは悲しいですが、宮崎悟郎や若手のアニメーターの成長に希望を残して、これからもジブリを応援したいと思います。
真っ直ぐな思いと夢
息子と二人で見に行きました。
ジブリ作品だけは、どうしても劇場で見たかったので、今週末までと知りあわてて行きました。
今回の宮崎駿映画は、いつもと違う違和感はありました。実在の人物像をモデルにしたからでしょうか。
子供向けのファンタジーという要素は少なく、ただしひたむきさ、純粋さ、夢というものを時代背景のなかに強く描いた様に思います。
現代の日本が不景気であることで、監督のメッセージは映画の背景と重ね、失われつつある何かを訴えたかったのかもしれません。
奈穂子の思いは、私自身の思いと重なるものがあり、しかし、私が貫けなかった愛が映画のなかにはありました。
主人公次郎の一貫とした奈穂子への愛、飛行機への情熱に感動し、胸が詰まりました。
世界大戦へ突入していく当時の背景の絵が美しくも懐かしい感じもしました。祖母から見せてもらった戦時中の写真を思い出します。
人間は逆境の極限でしか、純粋にはなれないのでしょうか。現代は、夢や愛ですらも何か大切なものが忘れられようとしている気がしてなりません。
真っ直ぐに生きることを再確認させられました。
今までの見方が通じない
映画として、またアニメーションとしての今までのルーチンを気持ちいいくらいに無視した作品です。興業としての映画、要素の集合としてのアニメーションではない、正真正銘ジブリの仕事でした。
「風立ちぬ前」と「風立ちぬ後」という認識が生まれる予感がします。最近のアニメと比べて技術で5年、完成度で10年は先行しています。予備知識や期待は持ち込まない方が得るものが多いと思います。変な評論が多いのは今までの見方が通じないところに全ての問題があるように思います。なので、これ以上レビューを読まないことをお勧めします。
今までは要素を楽しんでいれば良かったものがそう単純ではなくなりました。具体的に言うと要素から紡がれる全体を解釈を加えずに受け入れろという事です。
噛み砕くなら「考えるな、感じろ」ってとこでしょうか。
なんにしろ、観に行くべきです。
若者には退屈
感動しましたがずっと単調な感じ。ジブリは全部DVD買ってましたがポニョからは買う気が失せ、もう観てすらいません 笑
風立ちぬは原作を読んだ事もあったし、ニュース特集で宮崎さんが「はじめて自分の作品で泣きました」っていってたので観たものの…何とも言えない気分。
オリジナルとか、えっ何でって感じた。
最近初期の頃の壮大なスケール感が消え失せましたよね…。
もう次回作も期待しません
最近は懐古趣味?
ジブリの映画、最近は懐古趣味的な作品が多いですね。
これは嫌いでないので、期待して観に行きました。
が、何かぼそぼそ・・・・の感じです
宮崎氏は子供が分からない映画でも良いとの様な事を言っていたとラジオで聞いてのですが、その通り。
隣の小学生の集団は楽しみにして来ていた様でしたが、直ぐに飽きてしまい、携帯で時間確認ばかり・・・・
映像はきれいでしたが、思いが伝わりません。
ただ、当時のエリートや特権階級を中途半端に描いたとしか思えませんでした。
余分かもしれませんが、いつもの事ですが声優さんの選定も今一つ。
二郎も菜穂子も自分の人生に妥協していない
真剣に生きるとはどういうことかをひしひしと感じさせてくれる映画でした。二郎、菜穂子さんが何かに直面した時にとる行動がとても好きでした。教養があり、正しい選択ができる人たちだと思いました。菜穂子さんのあの決断は苦渋であったと思いますが。
一番好きな作品になるかもです。とても感動しました。
後味の悪さを感じるシーン有
当方が足を運んだ映画館内に未成年者が多いのに、喫煙シーンが多く、未成年者への影響が気になる。特に肺結核患者の傍での喫煙シーンにはあきれた。病気悪化の要因になるリスクがある。この様なアニメーションには、喫煙シーンを取り入れて欲しくない。 以上
ああ、貴女は自分の才能が好きなんですね。
この映画は結局、宮崎駿監督の自己の肯定・礼賛に過ぎないのだと思った。
堀越二郎をとおしてのね。
ポニョで津波のシーンをかいたら、この映画の関東大震災のシーンをえがきおえたら、東日本大震災が発生して「時代に追い越された」とか言っちゃうのでも、それは明白であってね。
歳いってこう言うことやり出したら、何か惨めだよねぇ・・・
キャストについては、主役に限らず、脇も声優を専業しているわけではない。
がしかし、そこは俳優。ジブリっぽくなるように、そつなくこなしていた。
ただね・・主役がねぇ・・・
好青年として描かれている主人公・堀越二郎のキャラクターと
演じる男のギャップが激しすぎてw
低くこもった声じゃ、合わないよ。感情もこもってないし。
それが気になって、ストーリーどころじゃなかったよ。
字幕があれば、良かったかなw。
悲しいとしたのは、ひとつの才能が終焉を迎えたという意味で。
深い深い 名作なのだろうけど
「生きねば」という言葉がこの物語の中心となっているはずなのに
自分には未だ理解できていない。
宮崎さんが描き伝えたかった半分も理解し得ていない自分に憤りとむなしさを感じます。
夢に没頭する生き様、「この世でたった一人」と想え会える相手との出会い、そして別れ。
すべてが尊くかけがえのない事柄なんだけど肝心の核の部分を理解できないまま見え終わってしまった。
だからもう一度見たい。何度も何度も理解できるまで、DVDでいいけど。
地震や戦争の恐ろしさを独特のタッチで表現していたのがとても印象的でした。
なんとなく二郎の朴訥な雰囲気を素人庵野さんのセリフ回しが上手に表現しているなっ
なんて感じましたが。。。いやいや、プロとして声優という職業がある以上いろんな人に失礼かなとも思いますよ
愛する人とはずっと側に居たいし、愛する人が欲していることはすべて叶えてあげたい
だから、「いいの、ここで吸って」なのである
あの手を握って仕事をするシーンにいっぱいいっぱい愛を感じた
もちろん、長く長く一緒に時を刻んでいられるに越したことはないが
一緒に過ごした時間の長さだけではない、かけがえのない人との濃密な時間が
二郎と菜穂子の人生を豊かにしたのだと思う
若い人へ
夢想と現実が並列され、物語ることよりも作者の思いを視覚化することが重視されている。
フェリーニの「8 1/2」を連想した。
ボブ・フォッシーの「オール・ザット・ジャズ」やウディ・アレンの「スターダスト・メモリー」でもいい。
主人公は堀越二郎+堀辰雄ということになっているが、明らかに宮崎駿自身の夢想的自伝だ。
ただ、上に挙げた作品は自閉した芸術家のナルシシズムやマスターベーションの趣が強いのだが、
宮崎の「風立ちぬ」には、カート・ヴォネガットの「スローターハウス5」に近い社会への切実な思いがある。
この映画を深く受け止められるのは年配の観客だと思うが、若い人たちにこそ見てほしいと思う。
小学校高学年から中高生ぐらいまでの間に、こういう作品に触れることは意義がある。
こういう映画もあるのだ。
起承転結だの伏線だのといった語りのテクニックでは伝えられない思いもあるのだということ。
セリフに不自然な抑揚をつけて型通りのメロディーをつけることが決して「良い演技」ではないということ。
そういうことを知ってほしい。
よく分からないけど、何か深いものがある。
そう感じられた若いあなた、あなたのような観客の未来を祝福するために、宮崎駿はこの映画に精魂を込めたに違いない。
ポロポロと。
元々ジブリファンなのでこれは観なくては!と。賛否両論様々、ということは聞いていましたが私にとっては大好きな作品になりました。淡々と話しが進んで行く、という印象の方が多かったようですが私はきちんと心理描写がされているように感じましたし、菜穂子と堀越のやり取りが愛おしくてしょうがありませんでした。恋愛というのはこうあるべきだ、と思いしらされた気分です。お互いに目をキラキラ輝かせて、潤ませて、泣いて、私の感情が完全に持っていかれ中盤から泣きっぱなし。菜穂子が本当に綺麗で健気で見ているのが少し辛いくらいで。飛行機に夢、というものを初めて感じさせられました。宮崎駿の趣味全開、ということらしいですが是非これからもそうして欲しいです。
ただ、小さい子どもが初ジブリとして観る作品がこの風立ちぬだと少し可哀想な気がします。その点から0.5引かせていただきました。素晴らしい映画でした。観る価値は存分にあります
なぁ~るほど…
人其々,十人十色とはまさにこの事を云うんであろう!と,この文章を記述?している人間も思った訳であり&云われているんであろう… そういう意味でも?映画作品の賛否両論の話は面白い!! まぁ,ゴチャゴチャ云っている本人としては、大評価を!!という事は,伝えたい所…
映画的に下手くそな、つまらなさ・・・
エンドタイトルが流れると、劇場内に言いようのない「ため息」が少なからず漏れました。同行した家内も泣く準備とハンカチを握っての鑑賞でしたが、「あれっ?」って。
次の書店を指摘しておきたい・
1.ミスキャスト どう考えても主人公堀越二郎の声は失敗と思う。
2.今一人の主人公菜穂子のキャラが立っておらず、全然魅力がない。
(ジブリの女性は、おおむね魅力的)
3.堀辰雄のどこに、何に敬意を表しているのかが不明。これが「風立ちぬ」 でありながら、泣けない原因の一つ。
4.アニメにおける「夢」のシーン挿入は非常に難しく、今回は一向に効果を 上げていない。
5.黒川夫妻は良い味出していたが、主人公の感情表現が疎かになっているた め、観客が感情移入出来ない。
宮崎駿の作劇法=脚本力は、以前から大いに疑問を感じていたが、今回はそれがもろに露呈した形。とにかくドラマの作り方が下手です。
ただ美しい動画、退屈な映画でした。
ジブリファン、宮崎ファンの方、ゴメンナサイ。
広島を思うこの日に、海自最大の空母・・否!護衛艦が進水した日に・・
〜日に、この映画を見た事に、何か意味が有ったか?無かったか?
賛否両論なのも頷けたし・・
戦争賛辞と受け止めかねないのも頷けた・・
(ただ、麻生さんのナチス発言と同じで、揚げ足取りの歪曲坊てのは、どこにでもいるもんだ!)
さて、宮崎さんは?見てる側に何と言いたかったか?
夢を追え!か?
生きろ!か?
愛せよ!か?
・・俺にはよく分からなかったが、何かしら感じた方々も多いみたいだね(´・Д・)」?
アリエッティが、CVしてたね☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆
☆は劇場公開1200円水準にて!
とても美しい動画を、二時間強見た気がします。
果たしてこれが映画か?ジブリの王道か?と問われたら微妙。
ただ、ハウル以来の、十年ぶりのジブリ作品復興?復古?で有る事には間違いない*・゜゚・*:.。..。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。. .。.:*・゜゚・*
高畑さんの?かぐや姫?も楽しみです♪───O(≧∇≦)O────♪
賛否両論?いや、見るべきです!
出だしから、幼少期の主人公にすっと感情移入できて、宮崎駿の描く夢にぐっと来ました。
何より、登場人物たちの動きがいい!コクリコ坂がしょぼかったのは、登場人物の動きが平凡すぎたからだと実感。
ただし!
面白いか?と聞かれたらそうではない。
起承転結!みたいなはっきりしたストーリーではないので、面白さを求める映画ではありません。
はっきりと言えるのは、美しいラブストーリーだということ!!
もうこの作品は、美しさを楽しむためにある。
夢と愛と死。
宮崎監督は、これらをなんて美しく描くんでしょう!。私は号泣しました。。
ポニョやハウルよりも心打たれるものがあり、映画館で見て良かったな、と思いました。
賛否両論なんてこと聞いていたので、火垂るの墓をイメージして身構えて見たら、想像以上の感動でした。怖くない、暗くない、美しいです。
迷ってる方は見て下さい。
紅の豚
時代背景が「紅の豚」と同時期~以後なので互いの作品の世界観を補填するのに非常に有用な気がしました。
若干話の展開に置いてきぼりをくらった感があったのが残念だったです。それ故また見たいとも思っちゃったりする訳ですが。
あと「上野から富士山が見えた」と何かで聞いたことがありますが違う事だったかな??
兎も角良い映画でした。
風立ちぬ、いざ生きめやも
今日「風立ちぬ」を見てきました
いたってシンプル、何のてらいもない
昭和10年代の風景
丁寧な描写
言葉の美しさに心ひかれました
主人公と菜穂子のシーン
一緒に暮らすふたりの
どのシーンも心にしみて
生命の瀬戸際に
何もかも削いだ
ただ愛おしいという気持ち
その清らかさ潔さ
そして主人公の飛行機に対する夢と
その結実である零戦の、悲喜劇
「風立ちぬ、いざ生きめやも」
作者の祈りにも似た意図は、
この一言に尽きるのだな、
と受け止めました
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