風立ちぬのレビュー・感想・評価
全545件中、241~260件目を表示
生きているって素敵です
他のひとの評価をみました
確かに人の好みによって大変左右される
作品だと思います
私は大好きです
全ての場面につながりがあり
それぞれ、思いが込められいて
とても感動しました
最高の映画の中のひとつになりました
残念ながら、つまらなかった
私はジブリ映画のファンです。この映画、宮崎監督の最終作だということで、是非見ておかなくてはと期待しながら、映画館に出かけました。しかし、正直、つまらなかったです。残念です。
ストーリーは、純粋に飛行機好きな堀越次郎が戦闘機を作る話と、その堀越次郎と菜穂子との恋愛の成就が結びつけられていましたが、うまくまとまっていないと感じました。
見ながら考えました。この映画は、堀越次郎の飛行機への情熱を描きたいということで作られたのだろうか? だとしたら、人物への切り込みが軽すぎる、と言うか、なさ過ぎる。豊かに描かれているのは、子ども時代の飛行機に対する夢と、遅れた日本の工業力だけ。主人公がどれだけの苦労をしたのか、壁をどのように乗り越えたのか、周囲との軋轢は如何ばかりであったかというような展開はゼロ。オイオイ、これじゃ、ドラマにならないじゃないですか。夜遅くまで設計図を書いているシーンはありますが、ただそれだけ。ト書きの様に、働いているシーンがあるだけ。本人の内面については、何も表現されていません。要するに、主人公の姿は筆で描かれた平面的な絵そのものに止まっていて、生身の人間になっていないのです。
菜穂子との恋愛については、どうか。まあ、二人とも一目惚れだったという設定ですが、それにしても、死の病を背負った女性と結婚することに、家族との間で殆ど何の葛藤も起こらないというのは、リアリティがなさ過ぎます。相当な資産家である菜穂子の関係者も、旧家と思われる堀越次郎の家族親戚も、誰もいないところで、ひっそりと結婚式が行われるなどと、あり得べからざる展開。この点でもやはり、絵空事。
飛行機製作についても、恋愛の成就についても、砂糖菓子をまぶした様な子供だまし、と感じます。
この映画、誰に見せるつもりで作ったのでしょうか。
まさか、大人?こんな展開で感動する大人は少ないでしょう。例えば「七人の侍」だとかアマチャンだとか倍返しの銀行員のドラマと同じくらい面白いという人は、非常に限定的なのではないかと思います。
子ども向けのつもりで作ったのでしょうか。まあね、子ども時代に見た夢の続きを大人になってからも見ているなんて非現実的シーンに結構長い時間が掛けられていますから、その点を捉えれば、ファンタジーと言えばファンタジーですよね。でもね、爆撃機や戦闘機を作る話ですよ。それが戦争に利用されると分かっていながら、単に美しい飛行機を作りたいという情熱だけで作ってしまう技術者。なんの内面的な葛藤も無いまま・・・(少なくとも、映画の上ではあるようには表現されていないですね)。従来のジブリ作品とは違って、この映画の場合、戦いにはロマンが無いんですよ。少なくとも、ストーリーとして日本軍の軍備の充実にロマンは設定されていません。だから、そのための道具を作る男の話もファンタジーにはならないわけです。
軽井沢の草軽ホテルで外人が、『ここは良いところだ。ドイツの戦争も、満州事変も、日本の国際連盟脱退も、意識しないで済むのだから』という類のことを皮肉っぽく言うシーンがあります。これは、単に軽井沢の避暑地にいると現実逃避が出来るということを言っているだけではなく、堀越次郎の飛行機製作に対する態度についての暗喩にもなっていると思います。ますます子ども向けの話ではないですよね。
でもまあ、この部分がこの映画の中で一番良質な部分なのかなあという気はしますけどね。でも、大人向けの映画になっているかというと、前述の通りで、全然駄目だと思います。
要するに、ピントが合っていない。この映画で何を表現しようとしているのか分からないのです。監督は分かっているのかも知れませんが、私には全く伝わってきませんでした。
従来のジブリ作品は私も大好きで、家族揃って映画を見に行って、さらにDVDも買って、テレビで放送があるというとDVDがあるのにまた見たりしていました。感動させられちゃうんですね。子どもが楽しめる様に作られたファンタジーに。でも、この作品には、そういう要素は無いですね。
ただ、興行的には大成功の様ですね。そのお金を元に、次ぎに、どなたかが良い作品を作られると良いですね。せめてそのくらいの夢は持っていたいものです。
心にくる映画
心にくる映画でした。今までの作品とは違う作品。
見る人に夢を与えたり、わくわく感を与えるような今までの作品とは違いました。切なさや胸が締め付けられるようなシーンがいくつかありました。けれどもそれでも見て幸せを感じました。
そして、もう一つの目線でみると
宮崎駿は売れる作品を作ったわけではなくて自分がかきたい作品を最後に作ったのでしょうね。節々にそんな宮崎駿の葛藤が感じられます。
だから、結局何がいいたいのか感じ取れない方もいますがそれは深く伝えたいことは一つではないし確実でもないしそれが美しいんです。
大人にならないと分からないですね。
戦争の背景は至ってふわふわ描かれています。確かなのは、主人公とその婚約者の気持ち。結末もふわふわ描かれています。だから、心にくるのです。
ふわふわと描かれているから見る人は想像し感じれるんだと思います。言葉にできない心にくる感動があります
深い作品です。
若い人には分かりません
明治維新からおよそ36年を経た1904年、日本は清を相手にした戦争を始めます。その後、日露戦争を経て1910年には日韓併合を行い、日帝の時代へ突き進んでいきます。満州事変のきっかけとなった柳条湖事件を経て1941年に日中戦争へ、そして第2次世界大戦へと暗闇の歴史を重ねていきます。
折しもゼロ戦は、そんな時代のクライマックスに開発されていきます。無差別破壊兵器が禁止されている国際法の体制下では、その性能が故に、まさに日本の技術優位性を証明するかのように、大戦の中で活躍をしていきます。
体当たりで特攻する様は、技術優位性を否定する行動としか言いようがないものの、小さな機体で飛び込む様は日本人の美学をむしろ肯定する対象として崇められていたのではないでしょうか。
1945年に長崎と広島に国際法で禁じられている無差別破壊兵器の原爆が投下されるまで、日清戦争の開始から実に40年余がたち、戦争はその終結を迎えます。40年以上もの長きに渡り戦争は繰り広げられました。長い日本人の歴史の中では今となってはたった40年ですが、日本の歴史の汚点として、私たちは無視をしてとおりすがるわけにはいかない、長い長い暗闇の時間がそこには流れていました。
そんな時代の中に次郎と菜穂子は生きていました。愛し合っていました。そのことを感じるだけでも、この作品の意義があります。こうした時代が存在したことを忘れてしまった、反省の気持ちが薄れてしまった、あるいは全く認識しえない、そう感じる日本人が増えてしまったのかもしれません。
菜穂子は山に戻り、240ノットを出す戦闘機を開発した次郎の夢には、戻らないゼロ戦が語られます。山に戻ろうとする菜穂子は寡黙でやりようがない時代と愛の象徴です。次郎の夢は、戦争の存在を正当に認識したくない今の日本人の歴史観かもしれません。
最後はファンタジストらしい終わりでした。戦争は描きようがない歴史であることとメッセージする氏の気持ちが伝わる映画です。
戦後、驚異的な復興を遂げた日本。40余年に及ぶ失った歴史を忘れてはいけません。今の私たちがここにいることは先人たちの努力の積み重ねがあってこそなのです。拭い去ろうとしても拭いきれない負の時代を正面からとらえる努力が今、必要とされているのです。そのことを痛いほど感じました。
ただし、ユーミンの飛行機雲は、どうでもよかったです。次郎の声優も下手です。遊びすぎです。映画の質としては低い気がしました。
"好き"をひとつに
とてつもない虚無感に映画の後かられて…どこも寄らずに帰宅した。
宮崎監督が何を表現したかったかをじっくり向き合って考えたかったから…。
宣伝期間もすぎ、結局のところ客寄せに至ってしまったタバコ騒動とか引退なんやかや。
そういうのが嫌で、
今時期にようやく観に行きました。
私は、多分ジブリの中では一番衝撃を受けた作品かもしれない。
似た飛行機映画の『紅の豚』では、ここまで入り込んだ衝撃は受けずとも…当時は小学生ながら4回も観に行くくらい好きな作品でしたが(笑)
何より紅の豚ではあまりはっきり描かれなかった恋愛描写。
私は宮崎監督にいつも『恋愛描写が足りないな』とつくづく諦めていたんです。
だからこそ、今作の至る所で愛し合う素敵な描写をまっすぐに描いてくれたことが何より嬉しかった!
今までのジブリでは、男女どちらかの想いばかりを描写しがちで、あまり両者の想いが伝わりにくいスタンツだったのが、
今作では出会いから、再会〜結婚から看病…別れ、すべてに2人の視点からの相手を思いひた走る描写がすごくよかった…
だからこそ 駆け落ちみたいに2人で最後暮らすシーンは印象的で…
キスや抱き合うシーンなんて
まず今までの宮崎作品では見られなかっただけに…かなり衝撃と、若干同様しちゃいましたが…
でもだからこそ
戦火であっても潔く、夢と仕事に打ち込む事が出来るのと
私達、観る側も単なる飛行機大好きなヲタク映画ではないんだと安心して見れるわけで(笑)
でもさすが宮崎さん。
やっぱり機械は精密過大に描写してますね(笑)
軽井沢の自然豊かな風景も素敵でした。
…そんないろんな『好きなもの』に濃縮された作品だなぁって。
とにかく私は
この作品を映画化に踏み切らせてくれた鈴木さん、
そして幻想的で奇々怪々な描写だけではない現実的な『美』を表現してくれた宮崎さんに
心から感謝したいと思います。
そして宮崎さん、
お疲れ様です。
あとはゆっくり余生を満喫してほしいものです。。
ジブリに幸あらんことを…
初めて映画館に2回見に行きました
映画って、結局その内容と自身のそれまで経験や思想などと共感出来る部分があるかどうかで好き嫌いがわかれるものだと思います。
そういう面で、私には素晴らしい作品でした。
正直、前半は退屈で仕方なく、何度も眠りそうになりました。
ですが、長野での奈穂子さんとの再会以降、ストーリーはグググッとラブストーリーになってからはひたすら涙、涙、涙、でした。ただ、一緒に見に行った同僚は完全に冷めていました。
この感動がどうしても忘れられなく、今度は一人で観に行きました。
2回めは最初から楽しめましたが、見終わって整理してみると私は奈穂子が喋るたびに涙を流していたように思います。正直二郎の飛行機づくりに関してはどうでも良かったようです。
奈穂子は初めの出会いで二郎にひと目惚れし、「本郷」で学んでいるという言葉を頼りに、二郎を探し続けます(なぜか2年もかかりますが・・・)。その後連絡をとればいいものを、控えめな性格のためかそれ以降の交流はありませんでした。ただお金持ちだったので、ずっと二郎の動向はチェックしていたのだと思います。
二郎が仕事で失敗し、長野に保養に行くという情報を得た奈穂子は、おそらく父親に頼んで自分の療養地に長野の同じホテルを選んだのだと思います。奈穂子の父親は、病弱で恐らく嫁に出すのも難しい娘のほのかな恋心を叶えてやりたいと、娘の期待に答えたやったのでしょう。
偶然を装い奈穂子と二郎は再開を果たし、二郎は父親に奈穂子との交際の申し込みどころか結婚の申し込みまでします。それを奈穂子の父は涙を流して喜びます。
もし、単なる偶然の再会だったら、どこの馬の骨とも分からない男の申し入れに、父親が涙を流すはずもありません。父親は二郎の人となりを予め知った上で、この薄幸の娘を受け入れてくれた感謝と、娘への想いから涙を流すのです。
といった奈穂子の身の上に思いを馳せると涙が止まりません。
「千と千尋」は観客が舞台の背景を読み取ることのできる情報を極力抑えていました。そのためこちらの想像力を掻き立てる内容でした。
「ポニョ」に至っては観客がその世界観を読み取れる情報を一切くれませんでした。ただ目の前に起こっていることを受け入れるしかない映画でした。
そういう面でこの作品は観客が劇中の映像に現れていない部分を読み取ることができる絶妙な情報量だったと思います。
ただ、好き嫌いはかなり分かれる映画だろうなとは思います。
奈穂子という女性はやはり男性から見た理想の女性像ですよね。
残念
この作品はいくつかのテーマが折り重なって作られていると思いますが、「夢に生きること」に関しては、カプローニとの対話しかり、仕事に打ち込む主人公の姿を通して上手く観客に提示されていたと思います。しかし、宣材ポスターやメディアを通して大々的に打ち出されていた「生きねば」ということや「堀越二郎と堀辰雄に敬意を込めて」というテーマに関しては、共感できる描写や要素があまりにも少なく感じました。
震災や恐慌、戦争についてもう少し説明的な表現、もしくは深く掘り下げた内容の描写があれば、あの時代が如何に生きにくい時代であったかが見る側にも鮮明に伝わっくると思いますし、「生きねば」というテーマに色味を持たせることもできたと思います。そうした要素が欠落している事に加え、妻の死についてもオブラートに包むような描写しかできていなかったことが非常に残念でした。ジブリの過去作である「火垂るの墓」は生々しい描写(人の生死、醜さがはっきり描かれている場面)が多いものの、それ故に「生の尊さ」や作品のテーマが受け取りやすいですよね。このような堂々とした「表現・主張」が本作にはなかった…故にテーマも見えにくく、ストーリーに何の盛り上がりも感じられました。
そして、いちばん疑問に感じたのは、「堀越二郎と堀辰雄に敬意を込めて」というテーマです。宮崎駿監督はなぜ2人の半生を混ぜ合わせてしまったのでしょうか。混ぜることでより面白味のあるキャラクターやストーリーが生まれると考えたのでしょうか?
個人的にこの「混ぜ合わせ」には何の面白味を感じませんでした。2つの人生を一緒くたにすることに「敬意」も感じられません。堀越氏か堀氏どちらかに絞り、掘り下げることができなかったのか、激しく疑問に感じます。
以上の内容を踏まえると、作り手には申し訳ないですが☆2つです。
オトナの為のアニメ
堀越氏の生き様に職人宮崎駿としての人生観を重ねて感ずるものを訴えたかったのかもしれない。但し、駿アニメとしてのスケール感を、どうしても期待してしまい。コンセプトが違うのだからと、それは分かるのですが、やはり、がっかりしてしまった。私の周りでもすごく良かったとすごくがっかりと、かなり極端に評価が分かれます。
駄作
宮崎駿の限界を感じた作品。
一体何を言いたいのか。全く分からない。
史実について書いているのかもしれないが、大震災の描写はナウシカのようなトーンで書かれ、飛行機はラピュタのようなタッチ。
トトロやナウシカ、ラピュタのイメージがぬぐえない中で全体のトーンに違和感を感じた。
関東大震災の描写が必要だったのか?史実はあんなに悠長な状況では無かったハズだがきちんとした時代背景を描写しきれていない。
戦時の描画も同じ。結核やサナトリウム、工場の実態など全く史実に基づいていない。
ネットで調べたり出てきた画像を元にイメージを膨らませて書いたのではなかろうか。
宮崎駿はファンタジーな世界観を描くのには適しているが、こういった史実に基づくような世界を描くのには全く向いていない。
引退ではなく、限界だったのだと思った。
うーん。
大学生の私としては、
前半部分がつまらなかったかなあ、、
後半は、恋愛関係の話で感動しました。
私は千と千尋の神隠しや、ハウル等の割とファンタジー?な宮崎駿作品が好きなので、ちょっと合わなかったのかも。(´・_・`)
この映画、賛否両論あるかと思いますが、私はすこし残念でした(>_<)
ですが、DVDがでたら、また改めて見てみようと思います。
ラストシーンの解釈は?!
映画館で二回鑑賞。
観れば観る程味が出るするめのような作品。
するめといったら語弊が出るかもしれないが、毎度違う発見があるのと、主人公がいったい何を考えてそのような行動をしたのか、宮崎駿は何が言いたかったのか、一緒に見る人によって感想が変わるため、観賞後の談義が非常に盛り上がる映画。
友人から聞いた、ラストの解釈が面白く納得してまったので紹介。
ラストシーンは、生きる希望を無くし、おそらく自殺を試みた瞬間の二郎の心境を表現しているのはないか。飛行機の墓場は自分自身の墓でもあり、創造的な10年間を飛行機に捧げた二郎にはもはや生きる意味が無かった。菜穂子の台詞は「生きて」ではなく当初の脚本では「来て」だったとのこと。たしかに、あのシーンはまるで天国の菜穂子が「お疲れ様」と二郎を安息の場所へ迎えているようにも見える。
友人の解釈を聞いてハッとした。
カプローニのワインは”打ち上げ”を意味しているのではないかと。
イベントも祭も仕事も製作も、最期は打ち上げで乾杯して幕を閉じる。最期のシーンは宮崎駿自身の創造的な人生の終焉を、二郎の死に重ねて表現したかったのでは?試写会で宮崎駿が涙した理由は、作品の内容そのものに対してではなく、アニメーション監督として創造的な人生を振り返ったからなのかもしれない。
解釈の幅が広くなるラストなので、ワインも人間の血を暗喩しているように思えてしまう。人間は血が無くては生きられない、それを決意せよ、という生に対する意思確認も込められていそう。
もう1回ぐらい劇場で観なきゃ!
観客の人間性や力量を問われる恐ろしい作品だと思います。
高校生の時だと思いますが、手塚治虫の火の鳥の第2巻(宇宙編?、とにかく第2巻が最後話です)を読んだとき、面白いけど本当は何を伝えたたかったのか全く分かりませんでした。40才過ぎてようやくわかった時に、空恐ろしい漫画だと感じた思いがあります。
今回の風立ちぬは、全く同じ感があります。
もちろん。すごく面白かったです。スピード感あふれる展開、ストーリーの面白さ、アニメの中で虚構とリアリティを違和感なく表現する手法、特にカプロー二氏とのやり取りの面白さ(彼がメフィストフェレスの役割を果たす事がわかった時鳥肌が立ちました)、そしてそれを可能にする精密な時代考証と精緻な背景画、特に背景画は余りにもきれいでアニメーションの人物が浮いてしまうくらいでした。
また、当時の日本人の気質も私の父から聞かされたのと同じで、おなかが好いていても決してシベリアに手は出しません。
この作品には、色んなかたが色んな見方をなさっているようです。中には、嫌煙、兵器開発者の賛美への批判、旧日本軍をおちょくっている…まあそれはもちろん自由だと思います。
私は、まずは映画から狂気・情熱・潔さを感じ、そして生きている人間は、真っ向から生きなければならないというメッセージを感じました。ですから、狂気の中に身をおいている庵野監督を声優に登用したのは私にはわかるような気がします。声優ミスとは全く思いませんでした。そのからみでいくと、服部さんの声(國村準氏)は素晴らしかったです。
でも、それ以上の感想はかけません。というのは、自分の中で反芻したいメッセージも多いというのもありますが、なによりも下手な感想は自分の浅薄さを吹聴する気がするからです。
この作品のなかで、宮崎監督は、本当に深い様々な想いにあふれ、様々なメッセージを投げかけていると思います。しかも、宮崎監督の映画で感じてしまう説教臭さがほとんど感じられないエンターテーメントとして完成された作品だと思います。
ですから、私は、この映画の感想を聞くと、その方の人間性、歩んでいる人生の深さや必死さなんかが透けて見える気がします。そこが、火の鳥の最終話に近いと思ったところで、感想を述べるのが怖いところでもあります。
ただ、一つ言えるのは、恥ずかしい話ですが、ひたすらに狂気の中で前を向いてもがいている私には、この映画はとても共感できるということです。
私は、ハイジ、コナン、1Stルパン3世から、宮崎監督のTVと映画は多分ほとんど見ているのではないかと思っていますが、そのなかで、傑出している映画は、カリオストロの城、ラピュタ、トトロだと思っていました。
特に、トトロを超えるような作品は、出ないかもしれないと思っていたのですが、この作品は、それを超える、遺言の作品ともいうべき、完成度の高い作品だと思います。こんな作品をポコポコ作れるわけはないと思うので、この映画を見ると、引退は少なくとも今のところは本当にそう思っているんだろうなあと感じます。
色んな騒動がありますが、宮崎監督もジブリも「見てください」以外のコメントを出していないのは、絶対的な自信にあると思います。。
もちろん、そのようなことを宮崎監督もジブリも考えてはいないでしょうが、感想だけで、自分の人生を評価される、観客の力量を試されるようなそら恐ろしい映画だと思います。
ジブリにしか作れない
ジブリらしい、ジブリにしか作れない作品。
ジブリしか作ろうとしないだろうけども。
「変人の天才が周囲の評価と支援を得て夢想した偉業に突き進み、それに寄り添う賢く薄幸な女性と短くも濃い深い理解の日々を過ごす」という、宮崎駿が好きなものを詰め込んで形にしましたという代物。
技術者堀越二郎を詰めたわけでもない。
零戦の設計者であると宣伝されているにもかかわらず、零戦の扱いの軽さ。
夢を描いてその実現に向かい突っ走っていく過程が大事で、その成果物に大した興味を示さないあたりが、非常に宮崎駿らしい。
ただし、突っ走る資格があるのは才能のあるものだけ、という思想が見え隠れするのも宮崎駿らしい。
二郎菜穂子のラブロマンスを追ったわけでもない。
技術者を描いてるシーンではきみ不必要だから、とばかりにしばらくいなかったことになるという扱いがまたわかりやすい。
見た目、性格、影のある背景設定と、ヒロインはまたクラリスかよというのもわかりやすい。
感動話を作る演出はうまくて、展開も内容も読めてたのに一瞬涙が出かかったのはさすがの表現力。
ニコイチには無理があったのでは。
どっちかにしろ。
ジブリの制作力で形にはしたものの、これで子供たちに何を見せたいのか。
才能ない奴は天才のサポートに徹して支援と評価だけしてりゃいいんだよ、ロマンスも運命も彼らだけのものだ、っていうことだろうか。
いやまあ、宮崎駿の思想の根底にあるのはそれなんだろうけども。
圧倒的な画像表現力を考慮に入れた上で評価2。実質1~1.5。
突き動かされるもの
登場人物全員が『何か』に突き動かされて生きている映画でした。
久しぶりに登場人物の心情を分かるようになりたいな、もっと深く理解したいなと思った。
ジブリが創った作品だと思うと期待外れって思う人もいるかもしれない。
だけど、ジブリの作品を全て揃えようと思った時、こんな作品が1つある
というのは実に良いものだと思う。
いつかまた見たい。
全545件中、241~260件目を表示