「壮絶な潔さ」風立ちぬ 着る毛布さんの映画レビュー(感想・評価)
壮絶な潔さ
クリックして本文を読む
レイトショーで観賞後、台風接近で大雨だったためか、壮絶な映画として記憶に残ってしまったようだ。
劇中、主人公は一切と言っていいほど迷っていない。
唯一迷っていたのは避暑地でのシーン。そこで再開したヒロインにより、また迷わなくなる。
鈴虫寺のお坊さんが言うには、「現代人にない凛とした佇まい」だそうだ。
なるほど、お坊さんは表現が素晴らしい。
ヒロインもまた、迷わない。
自分の生を見つめ、できることを凛として受け止め、行動に移す。
成せばなる成さねばならぬ、何事も。
何かを成すために必要なものは、なによりもその決意だと思う。戦争というものが一時的かもしれないが、人を堕落からすくい出し、美しい実直さを与えたのかもしれない。
僕らは戦争を知らない。わかっちゃいない。
そんな僕らに宮崎監督というおじいさんは、時に腹をくくった彼の時代の人々の生きざまを伝えようとしたのではなかろうか、と僕はそう感じた。
タバコがどうだとかそんなことしか感じられなかった人は本当にもったいないと思う。
コメントする