「DO MY BEST」風立ちぬ RAMPOさんの映画レビュー(感想・評価)
DO MY BEST
戦闘機が大好きで、空中戦シーンが大得意で
戦争を徹底的に否定している宮崎駿そんな矛盾の総括を
鈴木敏夫Pが煽って出来た映画。
結果的に、宮崎駿の遺言第一章といった趣の映画になりました。
零戦の生みの親、堀越二郎と『風立ちぬ』の作家の堀辰雄を
この二人を合成したキャラクター二郎。
運命的な恋に落ちるヒロイン奈緒子との恋。
盟友本庄との技術開発の日々。
そして、二郎の夢現の中で登場するイタリアの飛行機製作者
カプローニとの邂逅。
冒頭が関東大震災、以降昭和恐慌、第二次大戦
なんとも生きにく世の中にいながらも
純粋に飛行機を作り続ける二郎と
戦争という事実の劇中の存在感のアンバランスさが
結果的に映画全体の不思議な空気感につながりました。
主人公の声を弟子筋の庵野秀明が当てているのもびっくりですが、
意外にも唯我独尊でモノを作り続けることだけに生きる二郎と
キャラクターの属性がマッチしていました。
宮崎駿が初めて心底創りたいもの創ったのかなという思いです。
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