「儚く切なく色々な事を想う映画…」風立ちぬ もしゃさんの映画レビュー(感想・評価)
儚く切なく色々な事を想う映画…
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こんなに悲しい話とは思っていませんでした…
世界で一番早く、美しい飛行機を作りたい、その夢を愚直な思いで成し遂げながらも、それは人を殺める兵器となり、日本人を特攻という自爆行為に導く棺桶になり…思いを裏切る結果の切なさが突き刺さりました。
もう一方で、次郎さんへの思いを遂げて、彼の夢を見届けて最後は身を静かに引く菜穂子さんの純真に心を打たれました。山を自ら降りてくるほど次郎さんと寄り添いたかったのに、彼の邪魔にならないように、成功を見届けて去る…泣きました。
夢を追いそれを叶えることが幸せになるとは限らない、物作りと利害得失の絡んだ仕事の矛盾、本当に人を愛する事の切なさ…沁み入りました。
驚いたのは、これだけ歴史背景がはっきりしている映画なのにそれを感じさせず、戦争という一番インパクトの大きい時代を扱いながらもそれを微塵も感じさせない仕上げ方が、二つの儚さをより強調している様にも思えました。
映像の秀逸さもあいも変わらずで、菜穂子さんの嫁入りシーンはあまりの美しさと厳かさに涙しましたし、震災シーンには震え、ユンカー社の爆撃機のお目見えのシーンには飛行機の美しさにため息しました。
久々に映画館で泣きました…
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