「2回観たあとの感想」風立ちぬ とっぽじーじょさんの映画レビュー(感想・評価)
2回観たあとの感想
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一回目は☆4の評価でした。しかし今の☆5の評価と比べれば一回目は☆2が正解だったかもしれません。というのも、一回めは主人公の声優の棒読みに耐えきれずに、内容にあまり集中できなかったからです。しかし一回目の最後の最後でこの声優のあまにも棒読みな素のままの声が、主人公そのものであるような感覚が味わえたので、これは案外2回見たらいけるのではないかと思って見たところ、大当たりでした。
私はこの映画の堀越二郎という人間が、多くの人が言うような冷たい人間であるという印象は全く受けませんでした。むしろ日本を変えた本の一握りの天才たちが持っている桁外れの情熱や熱中力が周りの世界を見えなくしているだけで、ナホコに対する愛情を見れば、彼はむしろ普通の人間よりずっと温かい心を持っていると言えるのではないでしょうか。
たしかにナホコは病院にいれば少し寿命を伸ばすことができたかもしれません。しかし愛する人といる時間を削って孤独な時間を少し長く生きて何になるのでしょうか。残された時間がわずかだと知っているからこそ、二人で今を大事に生きることが何より大事なのです。
それなら仕事をやめろと言うかもしれませんが、飛行機の設計も彼の命そのものであり、設計士の10年という短い寿命を全力で生きなければなりません。
どちらかを取れと言われても、それは不可能でしょう。彼の命はナホコと飛行機設計の両方に捧げられており、一人の人間の命を分割できないように、
どちらかを片方だけというのは出来ないのです。
もちろん彼の飛行機に掛けられているのは彼の夢だけでなく、国や国民も含まれています。
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