「自分の奥さんと見に行く物じゃないです。一人で泣こう。」風立ちぬ poleczka3さんの映画レビュー(感想・評価)
自分の奥さんと見に行く物じゃないです。一人で泣こう。
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映画の殆どの時間を割いて、イタリアやドイツから学ぶ飛行機造りの創意工夫を描き、そうやって作り上げた「一機目の傑作機」が完成した所で観客はピークを感じる。場面は暗転し、戦後なにもかも失い、すべてをそぎ落とされた主人公が、最初の夢の草原に戻る。そこに現れるのは、自身の代表作になった世界の何処にもない、シンプル極まりない全ての無駄を「そぎ落とした」飛行機。この映画は、既存の物に比べれば説明も脚色もボリュームがない。でも、無駄をそぎ落とす、ないし失ったからこそ、持たざる者だからこそ見える美しさがある…。
上記がたぶん最初のプロットなんだと思う。でもここに愛を失ってしまう風立ちぬの物語を重ねるのは反側。消化出来るものじゃないし、簡単に消化して良い物でもないでしょう。考えさせられるんだが、理屈じゃ結論が出ない…。宮崎駿自身が、良いカミさんをもらったんだろうなぁ…と感じるのは、「耳をすませば」の牢屋でヴァイオリンを作る、ヤコブ・シュタイナー以来2度目♪(シュタイナーこそ世界一で、そのシュタイナーはクレモナ留学に失敗してたりする)シュタイナーのバイオリンも全てが壊れてしまって、殆どが残ってないな…その辺もゼロ戦に似てるのかも。
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