「落胆!100歩譲っても厳しい!」風立ちぬ Subaruさんの映画レビュー(感想・評価)
落胆!100歩譲っても厳しい!
昨日、職場の女子三名で「風立ちぬ」を観て参りました。
ジブリ作品が大好きな私としては、かなり楽しみで、胸膨らませすぎたのかもしれません。
結論からいうと、、、
いまだかつてない、ガッカリ度!ため息がいまでも止まりません。
まず、率直なところ、エンターテイメントとして、全然楽しめませんでした。
もちろん、テーマは重いものは重々承知です。
しかし、ナウシカやラピュタの時のような、胸にキュンとくるピュアさや、
キラキラした感じがまったくなく、かといって、
千と千尋や、もののけ姫のような独創性やパンチもなく、単調きわまりない印象でした。
いつも効果的な音楽も、心にまったく響かず、
いつ感動がくるんだろう、、、
いつ泣けるかな、、、
と思っていたら、唐突に話が展開して、終わってしまう結末です。
たしかに、「夫婦愛」みたいな面では、
少し、心の琴線に訴えてくる気配はあったものの、
全体の運びとして、乱暴というか、現実味がない展開が目につきすぎて、
「ううーーん」と、ため息がもれてしまう状態でした。
特にラストの終わり方は衝撃で、
↓↓↓
僕(主人公)は、夢をかなえるために美しい飛行機を作りたかっただけなんだーー。
↓↓↓
でも、結局、それが日本を破壊したのだよ。
↓↓↓
でもでも、あなた(主人公)は、生きて!!!
(終)
・・・、みたいな状況で、
劇場にいた人みんなが、
ええええーーーーーー!
これで、終わるの!?
という、
戸惑いの声が続出の締めくくりでした。
唯一の救いは、西島秀俊さんの安心して聴けるいい声。
そして、すべての、ひっかかりの元凶は、
やはり、主人公の庵野さんの声。
エヴァも好きですし、
庵野監督も、本当に才能豊かな素晴らしい方です。
・・・が!
・・・が!
100歩譲っても、これは、やっぱりなかったです。
完全に、主人公の声が違和感があり、集中できません。
棒読みすぎて、感受性が豊かな私みたいなタイプには、
こわれた音楽を聞かされるようで、
スーーーっと、心にストーリーが入りませんでした。
涙もろい私は、たいてい、おきまりの泣きのシーンではウルウルするのですが、
この作品だけは、冒頭から中盤、終盤にかけてと、一滴も涙はでず、
率直に、感動作でもなければ、エンタメとしての壮大さや、メッセージさの低さに、
「駄作」としかいいようがない感想となってしまいました。
いまでも、ナウシカやラピュタ、ポニョなどは大好きですが、
ジブリ作品の一番の魅力であった、
夢や希望、ピュアさ、ユニークさが感じられなかったのは残念でなりません。
政治的な思想性を入れたかったのかもしれませんが、
どれも中途半端になってしまった印象です。
ディズニーや手塚治虫のような、
大人も子供も、深い感動で包んでくれるような作品がジブリから誕生することを、
祈ってやみません。
これまでと違うジブリだと公開前から言っていたじゃないですか。
先入観に囚われずに観てください。
それと声優さんの件ですが、棒読みだからこそ味が出ているのがわかりませんか?
そして感受性が豊かでしたら、あの棒読みの良さがわかるはずですよ。
寧ろプロの声優さんだったら二郎さんのあの独特な雰囲気は出ない気がします。
そして最後のぼそっと呟いた「一機も戻ってこなかったけどね…」という台詞、自分に対しての皮肉。あの一言は庵野さんでなければ良さが出なかったはずです。