「不思議な余韻が残る」風立ちぬ げんさんさんの映画レビュー(感想・評価)
不思議な余韻が残る
何回も見たくなる映画ですね.
傑作 - 怪作というべきか.
とにかくディテールが素晴らしい.
ディテールの良さは,あいかわらず他の追随を許さない.
まさしく,神は細部に宿る.
ストーリはかなり単純で,起伏もわざと少なく作られているが
それがこの不思議な余韻を作り出している気がする.
号泣とはならないが,体が熱くなる感じがする.
いろいろと言われている,主役の二郎の声を出している庵野秀明
は,意外というべきか,当然というべきなのかピッタリであった.
作中,当時そうであったのであろうが,家族,兄弟の間でも,お辞儀を
し合うなど礼儀正しく描かれていて,家族や恋人に対しても
敬語を使って話をするなど,ある意味で,よそよそしいやりとりが行われるが,それがこの声に非常にマッチしていた.
もはや,あの役は,庵野以外考えられない.
たぶん,この映画は,一回見て,ストーリーがわかったあとで
もう一度見たときの方が,面白いと感じるのではないかと思う.
(まだ一回しか見てないので想像です)
どなたかがスルメ系の映画と表現していましたが,私もそう思います.
スティーブジョブズが,どこかの大学の卒業式の講演で
明日死ぬとわかったとしても,今自分がやっていることと同じことを
続けてするだろうか.
つまりは,何事も死ぬ気でやれという主旨のことを話していたが,
この映画にも通ずる.
いざいきめやも と言うことか.
ヒットするといいですね.
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