劇場公開日 2013年7月20日

「映像は流石だけど、、、。」風立ちぬ hanakochamさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0映像は流石だけど、、、。

2013年7月24日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

この時代に、こういったモチーフを選び、憲法うんぬんに口出しながら発表するということは、作品にある程度メッセージがこめられていると受け止めるべきでしょう。
私は20代ですが、この映画に感じたのは、ジェネレーションギャップというものでした。流石に年か、と。
子供向けのファンタジーを描き続けてきたからこそ、今までは私も楽しめていたのだな、と思いました。
この映画で描かれているのは、"古きよき日本"という幻想ではないでしょうか。
欧米という先進国の真似をしていればよく、幻想の腕の中に抱かれてただ葛藤していればなんとかなった時代の、
非常に幼い日本人像が浮かびました。誰もが受動的で、責任をとらず、感情、雰囲気、にまかせるだけ。
私が感じている今のリアリティとしては、物理的な距離も、そして情報的な距離も近づいた現代の、
国際社会のある一つの国である日本という風土が持つそうした性質をいかに乗り越えるか、
が問題ではないかと思います。3.11で明らかになった日本の民主主義の未成熟さにも繋がってます。
そこを単純に右傾化、戦争、などととらえるの正直あまりに幼いと思う‥‥。
というか、団塊以上ぐらいの世代って、そういう捉え方するんですよね。まぁ生きてきた時代があれだから、
そういう反応が染み付いてるんだと思いますけど。自己主張と議論が下手で、意見と人格攻撃の区別がつかないというか‥‥。
誰も決断せず、問題を先送りにする、葛藤してる私、という姿勢こそ批判すべきものだと思います‥‥。
それを「生きること!」って全肯定する姿勢にはちょっと疑問があります。もちろん否定はしませんが。

しかし、それはそれで一つの日本のリアリティを描いたということだと思います。
賛否両論あるのもその証拠ですし、作品内からは戦争に関する問題や政治的なメッセージを排除しながらも、
現代の日本の中である問題提起になっている点は、やはり"巨匠"ということでしょう。

ストーリーに関しては、やっぱり宮崎駿のラブシーンはちょっと私的には共感できないなぁ、という感じ。
というか、恋愛ものでないのに、ちょっとお涙頂戴的な演出に流れちゃったのでは?売り上げ的なあれなんでしょうか。。。
声の効果音はすごくよかったと思いました!もうちょっとそっちで凝ってくれたらもっとよかったけど、
これも売り上げ的なあれなんでしょうか。。。
庵野さんの声はダメでしょ。あれ、、、。棒読みうんぬんじゃなくて、アニメにはまってないですよね。
本当はもっと全編ああいうので素朴なのがやりたいんでしょうけど、それにしてももうちょっと良い人いたと思うけど‥。

色々好き勝手書かせていただきましたが、それだけ口出ししたくなるぐらい、思うことのあった映画でした。
作品自体は、やはりいい出来栄えだったと思います!><

hanakocham