劇場公開日 2013年7月20日

「大人の映画。激動の時代に生きた男のロマン。」風立ちぬ chakurobeeさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5大人の映画。激動の時代に生きた男のロマン。

2013年7月20日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

知的

少なくとも戦前の歴史を知った人向けの映画です。時代背景を知らないと理解が困難と思われます。男(宮崎監督)の甘いロマン性が強く印象に残った大人の恋愛映画(宮崎映画では珍しくヒロインに女性フェロモンを感じた)でもあり、戦前の窮屈な時代に理想の飛行機作りを夢見て全力で生き抜いたひとりの技術者の物語でもありました。特に今回の映画はどの画面も美しく生き生きとして迫力があり、絵を見ているだけでも楽しめました。戦前の時代の悪いところはきちんと静かに批判し、天災の恐ろしさや人災(戦争)の空しさが映画を見終わって静かではあるけれど強く伝わってきます。1946年生まれのかって計算尺を愛用していた元研究開発従事者としてはすごく共鳴できた感動作でありました。

chakurobee