劇場公開日 2013年7月20日

「考える事を放棄した人には無理」風立ちぬ yuipapaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0考える事を放棄した人には無理

2013年7月20日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

まず第一に
「娯楽映画ではない」
見たもの、聞いたものをそのまま受け止めても何も何も残らないでしょう。
恐らく、勝手に生きて勝手に挫折して~視聴者置いてけぼりの作品、みたいな共感も何も無い作品と思われるでしょう。

考える事を放棄した人間には何も得られない映画

だと思います。
観る側がいかに思考し、洞察し、読み解くか
その先に大きな大きな「セリフにはないメッセージ」がある。

早い話が昔の日本人はみんなこうだった。
言葉の裏側で会話をしていた。

「すいません」の裏側に「ありがとう」があるように
日本人独特の心理表現が随所にみられる

全編を通してこうした理解があれば大いに感動し、
表題の本当の意味も理解出来ると思います。
かなり観る側にスキルを要求する映画だと感じました。

私のような古い人間にはとても理解しやすく「古き良き日本人」を久々に感じることが出来た、と思えたけれど・・・

現代の日本人にどれだけ訴えられるのか
現代の日本人は以前の日本人がもっていた感受性をどれだけ残しているのか

携帯電話が無かった時代に青春を過ごした日本人には衝撃があると思います

今後の評価がとても気になる作品でした
良い映画をありがとう!

yuipapa
yuipapaさんのコメント
2013年7月26日

2度目の視聴をしてまいりました。
観客も少なく、じっくり落ち着いて鑑賞することが出来ました。
1度目のレビューの表現では伝わりにくい箇所もあるかと思い、書き込むことにしました。

ヒロインのラストのセリフに込められたセリフ以外の意図が伝わるようであれば
もう一度鑑賞する事で全ての意図がつかめるかと思います。
同じく、主人公ではない、ヒロインでもない、
主人公と別世界で絡むキャラクターのセリフに対しても
同じように理解する事が出来るのならば、
この映画は大いに感銘出来るものとなるでしょう。
(そしてこのキャラの本当の姿に気づくようであれば尚更)

あと、タバコについての意見が多数寄せられているようですが
時代背景や主人公の置かれていた環境などを考えれば至極当然であると言えます。

これは「教育映画でもファンタジー娯楽映画でもない」のですから。

勘違いするにも程がある感想だと感じざるを得ません。

yuipapa
Paddyfieldさんのコメント
2013年7月21日

観る側がいかに思考し、洞察し、読み解くか。
その先に大きな大きな「セリフにはないメッセージ」がある。

この部分に深く共感しました。
親切で的確なレビューですね。ありがとうございました。

Paddyfield
マサブさんのコメント
2013年7月20日

yuipapaさんの「見たもの、聞いたものをそのまま受け止めても何も何も残らないでしょう。」、「考える事を放棄した人間には何も得られない映画」、この言葉につきると思います。

マサブ