劇場公開日 2013年7月20日

「9年越しの2度目の鑑賞で号泣しました。」風立ちぬ 豆腐さんの映画レビュー(感想・評価)

5.09年越しの2度目の鑑賞で号泣しました。

2022年7月26日
PCから投稿
鑑賞方法:TV地上波

1回目に見たのは、本作が公開された年の夏。家族で見に行きました。当時私は小学生で何一つ理解できていなかった挙句、つまらなかったと言っていた覚えがあります。今思えば小学生が内容をよく理解して感動することは不可能だったと思います。
ちょうど9年ほど経った今、金曜ロードショーで放送された際の録画を観て初めてこの映画の切なさ、美しさ、儚さを理解して大号泣しました。特に、黒川夫人が美しいところだけ…(略)と言ったシーンからは人を愛すことの切なさのような、儚さのようなものを感じました。また、戦時中存在した数々の体当たりの戦闘機の一つ、後の大戦でも多くの軍人の命を奪った零戦。これを生み出した人間はどれだけ残酷な人間なのだろうと思っていました。が、映画によると生みの親は主人公の二郎であり、こんなに賢明で素敵な人の純粋な憧れの思いから生まれた飛行機がこんなにも残酷で憎い使われ方をしたのかと。本来憎まれるような人間ではない二郎が何人もの人にどれだけ憎まれたのだろうと思うとまた涙が止まりませんでした。そして主人公二郎のセリフが棒読みだなどと賛否両論ある庵野さんの声でしたが、二郎という人間の感情が表に出にくい性格、穏やかで強い人物像というのがよく伝わってきて私は庵野さんが抜擢されたのは大正解だと思っています。声とキャラクターのマッチ度もあり、個人的に二郎は観ていて人間として、男性として愛らしかったです。そしてその二郎に愛し愛されるヒロインの菜穂子も美しく力強い日本人らしい綺麗な女性で大好きです。近年男女差別をなくそうという動きが高まっていることを受け、いまだに残る日本男児的な考え方は本当にいかがな物かと思っていましたが、この二人のお互いへの各々の思いや時代背景からすると、昔の男性の勇ましさ、女性の健気さや気高さといった古風な考え方も簡単に捨てたものでは無いんだなと痛感しました。また数年経ってからも見返したい映画です。

豆腐
ひろきさんのコメント
2022年10月14日

庵野が合ってるとか笑えるわ。逆張りかな?
宮崎監督がいうには庵野の声質は合っているらしい。
だが、真に声優の技量が出るのは演技なんだ。
声質だけが合ってる素人には出せなくて、技術をもってる声優には可能なことなんだよな。

ひろき