「翔べない豚は、鋼の鳥の夢を見るか?」風立ちぬ 機動戦士・チャングムさんの映画レビュー(感想・評価)
翔べない豚は、鋼の鳥の夢を見るか?
「フランケンシュタインの誘惑」という番組ご存知ですか。基本、ヤバい学者が暴走する果てに、どんな世界が見えるのかっていう話なんですけど、好きなんですよね-。
突出した発明力のある科学者って、発明に没頭するあまり、その発明品がどう使われるかは、あまり興味ないそうです。原爆、水爆、高機動航空機…。生かすも殺すも、私達が殺されるも、全て私達の責任なのかも。
実在の二郎さんの人柄は、存じません。ただ、まるで映画の主人公らしからぬ二郎さんと、私はどう向き合えばいいのかしら。
宮崎サン、冒険活動ものを創らなくなったのは、時代が、その先にあるからだそうです。しかも、加速している。未来少年が見据えていた未来は、私達には届かない。お城に閉じ込められたお姫様を救う冒険譚も、天空の城を目指す英雄譚も、私達には眩しすぎる。私達に寄り添うことができるのは、朴訥とした話し方をして、自分なりに生きてゆく道を、踏みはずさない人。そんな道しるべが必要なのでしょう。
あの子の命はひこうき雲だとしても、今より歪んだ時代だったとしても、言い訳しない、全力で疾走する。それだけで…ね。
この先、世界はどうなると思いますか。たとえば、迫害を恐れ国外脱出を望む人が、大勢います。でも、彼らの為に飛び立つ飛行機が、もういないんです。
私達は、世界を何処に連れて行こうとしているんですかね。
たとえ空を飛べなくても、できない理由を探すより、できる方法を探しましょ。二郎さんの背中が、そう言ってた気がします。
「イミテーション ゲーム」
二郎さんと同じ時代を、二郎さんと違う生き方をした科学者さんのお話。世界最難解と云われた暗号を、自動演算で解読させた学者さんと、その演算機を手に入れた軍は…。一度ご覧下さい。