「昭和ノスタルジー」風立ちぬ ぷにゃぷにゃさんの映画レビュー(感想・評価)
昭和ノスタルジー
夢に始まり、夢に終わる。
スタジオジブリが毎年夏休みに向けて作る映画は、老若男女に好まれることが前提で、宮崎駿はその要求に応え続けてきた。自分の表現したいことと、観客の満足度をうまくバランスも取ってきた。だけど、映画作りはもう最後にしようと決めた。最後なんだから、自分のやりたいもの、好きなもの、こだわりなどを全部ぶち込もう。と、いうことではないかな。私はいいと思う。
宮崎駿は昭和16年生まれ。堀越二郎や堀辰雄は、宮崎駿の親くらいの世代なのかな。昭和の初めの頃の、日本の暮らし。里見の洋風の家(金持ち)、黒川の純和風の家(地方の名家)、軽井沢のブルジョワ感。ちょっと庶民からはかけ離れているけど、でも日本人はこんな風に生活していた。想像だけど、宮崎駿は自分が生まれた頃の日本を、映像に残しておきたかったんじゃないか。これが昭和だよ。忘れないで。
庵野さんの声は多くの方が書いているように、違和感はあった。けど、途中で慣れた。素人の割には、最後の方はそこそこ演技できてたと思う。声優や俳優を当てた方が、見る側にはセリフが聞きやすかっただろうが、たぶん、きれいすぎる。二郎を男前に見せるのは避けたかったのかも。ただ、少年の二郎と、成年の二郎のギャップは激しかった。
夢の世界の色がとてもきれいで、私もここに入りたくなった。テーマ曲もノスタルジックで、よくはまっていた。公開時に映画館で見て、日テレ金曜ロードショーの放送で再見。
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