劇場公開日 2013年7月20日

「零戦はちょっとしか出てこない」風立ちぬ ROKUxさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0零戦はちょっとしか出てこない

2021年5月6日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:TV地上波

ずっと以前に録画しておいたのを視聴。意外にも全編通して観るのは初めてであった。

堀越二郎が零戦を完成させるまでのプロジェクトX的なストーリーがメインかと思いきや、そうではなかった。(作品の最後で彼が完成させる試作機は、翼形状から、九式単座戦闘機の試作一号機ではないかと思われる。零戦の前である。)むしろこれは恋愛劇であろうと思う。宮崎監督は、ある時代のある恋物語を描きたかったのではないかと思う。主人公の仕事がたまたま飛行機の設計技師だっただけで。

作品の発表とほぼ同時に出版された、宮崎監督と半藤一利さんの対談録『腰抜け愛国談義』を読むと、堀越と本庄は本当はあまり仲良くなかったという裏話が出ている。また、宮崎監督の祖父は戦時中、鹿沼で中島飛行機の下請け工場を営んでいたとも。終戦時、監督は4歳くらいだから、当時の記憶が作品に反映されていなくもないのではなかろうか。

ROKUx